09年度税収は40兆円下回る可能性=財務副大臣
[東京 16日 ロイター] 財務省の野田佳彦副大臣は16日夕、2010年度予算の概算要求発表に伴う会見で、世界的な金融・経済危機の影響で2009年度税収が当初見通しの46.1兆円から大幅に減少し、40兆円を割り込む可能性があることを明らかにした。
そのうえで、減収に伴う赤字国債の追加発行はやむを得ないとの認識を示した。10年度概算要求の総額は、マニフェスト(政権公約)などに掲げた新規政策への対応によって95兆0380億円と過去最大に膨らんだ。野田副大臣は徹底した査定によって、年末編成に向けてさらに予算を絞り込んでいく考えを示した。
<新規国債発行額と税収が逆転へ、財政信認確保に市場と対話>
野田副大臣は09年度税収について「場合によっては40兆円を下回る可能性がある」とし、「税収の落ち込みは世界的な大不況の影響によるもの。第2次補正予算を策定する段階で、税収の落ち込み見合いの公債増発はやむを得ない」と税収減の補てんは赤字国債の発行で対応する考えを明言。「ほかで(税収減を)補えるものがあればいいが、基本的に公債を発行せざるを得ない」と繰り返した。
09年度の税収見込みは46兆1030億円で、新規国債発行額は第1次補正後で44兆1130億円。税収の下振れを6兆円程度と見込み、減収分全てを国債発行で賄うと仮定すると国債発行額は50兆円程度に急増。国債発行額が税収を大幅に上回る異常事態となる。
国債の追加発行に伴う財政の信認低下が懸念されるが、野田副大臣は「財政再建に向けた中期戦略をいずれつくらなければいけない」とし、「それができるまで財政規律が示されないのは市場に悪影響を及ぼす」と懸念を表明。「国債管理政策の一環として、市場との対話をしっかりやり、注意深く対応していきたい」と長期金利の上昇抑制に努める考えを示した。
<10年度国債発行は44兆円以下を堅持、大胆な歳出絞り込み急務>
一方、概算要求総額が過去最大規模に膨らんだ2010年度予算の編成に際しては、「財政規律の確保が重要」と指摘。国債発行抑制という難題に取り組むことが不可避で、「現時点においては、公債発行額は少なくとも(09年度第1次補正後の)44兆円を下回る方針を堅持する」と強調した。
そのためには、要求額から大胆に絞り込むことが必要になるが、野田副大臣は「新規政策の実現には、予算編成過程で、さらに思い切った歳出削減に取り組む」と述べるとともに、予算編成作業について「何が何でも年内に編成する」と強調した。
各省庁が15日までに提出した2010年度予算の一般会計概算要求は、総額で95兆0380億円となり、09年度当初予算の88兆5480億円を約6兆5000億円上回る過去最大となった。このうち一般歳出は09年度当初比3兆3000億円程度増の54兆9929億円、国債費は同1兆6500億円程度増加の21兆8933億円。予備費は09年度当初と同額の3兆5000億円を計上し、09年度に盛り込まれた緊急対応予備費1兆円は取りやめた。
民主党がマニフェストに掲げた主要政策については、子ども手当の半額実施や高速道路の無料化など計4兆3767億円が要求され、10年度からの実施を明言しているガソリン税など暫定税率廃止分を合わせると政策実現のための経費は約6.9兆円となる。一方、既存予算については、全省庁(国会分を除く)が09年度比で減額した要求を行ったが、合計の削減額が1兆3121億円にとどまった。
(ロイターニュース 伊藤純夫記者)
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