インタビュー:消費税上げは第1段階で3%アップも一案=園田政調会長代理

2008年 08月 5日 19:41 JST
 
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 吉川 裕子記者・梶本 哲史記者

 [東京 5日 ロイター] 園田博之・自民党政調会長代理は5日、ロイターのインタビューに応じ、年末の消費税を含む抜本税制改革の議論では、消費税引き上げの時期は別にして、将来の税率などある程度結論めいたことを明確にする必要があるとの認識を示した。

 経済環境を見通すと来年度の消費税引き上げは困難としながらも、第1段階として3%の引き上げもひとつの考え方とした。

 2011年度のプライマリーバランス黒字化目標は堅持すべきとの認識を示し、与党内で浮上した健全化目標の先送り論をけん制。ただ、目標達成は、2011年度までに消費税を増税した場合に限って可能となるとの厳しい現状認識を示した。

 政府・与党が検討中の経済対策の柱は、中小企業支援、農業改革、省エネ対応になるだろうと見通し、財源については最終的に2008年度補正予算編成も避けられないとした。

 インタビューの概容は以下の通り。

  ──2011年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化目標の先送り論がある。 

 「2006年に作った時よりは困難になったことは間違いない。このままでいくと、消費税を2011年度までに増税した場合に限って到達することは認めざるを得なくなってきている。ただ、いま目標到達が無理だとなると、財政支出要望は強く、タガが外れてしまう可能性がある。総理の公約でもあり、大目標はやめるべきでない」 

 ──消費税増税についての考え方。 

 「財政再建のために消費税をお願いする、では国民は納得しない。社会保障の目的税化が私の考え方で、財革研では、2015年に消費税10%程度ないと制度維持はできないと提言した。2015年度までに1段階が無理なら2段階で最終的に消費税10%確保することを示した」 

 ──第1段階では、2011年度までに2、3%程度の引き上げが念頭か。 

 「そうだろう。難しいのは、これから高い税率になると軽減税率にせざるを得ないと思う。食料品などでは上げられない。仮に5%引き上げを提案するとして、(軽減税率分をならすと)平均3%くらいの税収になる」 

 「第1段階として3%程度上げ、平均税率として1.7─1.8%の税収確保が現実的かもしれない」 

 ──総選挙前には消費税増税は訴えにくい環境だが、引き上げのスケジュール感は。 

 「これから予測される生活環境を考えると、原油高・資源高で物価は上昇、景気は外需を中心とする大企業の業況はそう変わっていないが、地域経済は厳しい。賃金も上がらない。消費税を具体的に提案する時期としては、無理だ」

  「ただ、無理であっても、選挙前であっても、国民の生活環境が少しでも改善された場合、社会保障制度維持にご協力くださいとして、具体的な考えを明らかにすることは必要だ。その意味で年末の抜本改革では、ある程度の結論めいたことは、導入時期は別にして、はっきり示したほうが良い」

 「(昨年の税制改正大綱より)もう少し具体的に書く必要がある。税率の問題。導入時期については、来年度はあきらめるとしても、出来ればその次の年くらいには生活環境次第では、お願いするかもしれないくらいのことは言うべきではないか」 

 ──2009年度に迫る基礎年金国庫負担割合引き上げは、年度当初からの実現を避ける考え方がある。4月にはこだわらないか。

  「将来の年金給付に影響すると言われるが、どこかで消費税を導入できればそういうことない。来年度に実行するかしないかで年金受給者に迷惑をかけることはない。あくまでも財政措置的な問題で、必ずしも来年4月からでなくても良いと考える。法律上は年度中(実施)となっているので、どう扱うかだ。しかし、それを裏付ける財源はない」 

 ──多少先送りするにせよ財源はどうする。埋蔵金を活用するのか。 

 「そういう説もある。埋蔵金ではないが、特別会計の準備金のたまりカネを使う方法がないわけではない。しかしこれ(剰余金)は借金返しに活用することになっている。それを先に使うことは、国債発行(で手当て)するのと実質的にあまり変わらない。これは方法論であって、国債を増発することが直ちにそれだけで(日本の財政に対する)悪い評価になるのか。その場合でも、(消費税をどの程度上げるかなどの)将来見通しとセットでメッセージを伝えることが重要だ」 

 ──経済対策では、補正予算も視野に入っているのか。 

 「年内に経済対策を組んで実行するとなると、年度内に組んだ予算を流用することは出来ない。最終的には補正は避けられない。しかし、その財源については、まず、できる限りムダ撲滅で対処。公益法人や独立行政法人、一般会計などの事業を精査していく。必要だからつけた予算だが、緊急でさらに必要なものが出てきたので、少し返してくれということを先手してやっていきたい。それでも足りないものはどうするかは、全体の補正予算の規模をみてみないとなんともいえない」 

 ──事業見直しで捻出できる規模は数千億円程度か? 

 「その程度だろう」

 

 ──政府は経済対策で「ばらまき」はしないという。福田首相が主張する「国民目線」の政策、あるいは与謝野経済財政担当相の「温かい政治」による予算付けとはどう違うのか。 

 「ばらまきの定義として、予算規模を誇示すること、あるいは具体策がなく一時しのぎの予算を組むこと。従って大事なのは、何をやらなければならないかを先に明確にすることだ。どちらかというと構造的なところに光を当てて、今、これを早くスタートさせないと、手遅れになることに対して具体策を作ることが重要との認識で、その結果として、財政がどのくらい必要かいわないとばら撒きになってしまう」

  「たとえば中小企業対策ではここをこう進めないと地域の中小企業が前に進めないなど。それが金融分野(資金繰り支援)なのか技術革新に対する支援なのか。農業も多分重点的にやると思う。基本的には自給率50%までの到達計画を作ることが一番大事で、そのために足りない農業政策をどういう点か明示し、そのために少々財政が必要ならこれだけ必要だといわなければ、国民が納得しない」                               

 (ロイター日本語ニュース 吉川 裕子記者)

 
 
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