UPDATE1: 為替レート、米ベアー救済から動きが変わってきた=篠原財務官
[東京 25日 ロイター] 篠原尚之財務官は25日、財務省内で記者団に対し、最近の為替市場の動向について、JPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)による米ベアー・スターンズBSC.Nの買収など救済策の発表以降、名目為替レートの動きが変わってきた、との見方を示した。それまで外為市場では、米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題などを背景に、例えばドル/円では顕著なドル安/円高傾向となっていたが、その後変化がみられている。
篠原財務官は、年初からの為替相場の動向について、ドル安がクローズアップされているが対ドルにおいて、ユーロや円、スイス・フランなどは上昇する一方、アイスランド・クローナや韓国・ウォンなど主に経常収支の赤字国は下落しており「通貨の選別が行われている」と指摘。
そうした中で「ベアー・スターンズの破たんから動きが変わってきた」と分析している。実際、経営危機に直面していた米ベアー・スターンズの買収など救済策の発表以降は、多くの通貨で対ドルにおけるそれまでの動きが反転、またはブレーキがかかっている。
また、篠原財務官は、2001─2002年以降、ドル/円と円の実質実効為替レートの動きにかい離が生じていると指摘。その背景について、貿易においてアジアのウェートが増していることや、アジア通貨がドル・ペッグ制から離れて近年に対ドルで大きく上昇している点や、ユーロが対ドルで上昇していることなどを挙げ、「ドル/円だけ見ても、円の実力がわかりづらくなってきている」と語った。
篠原財務官によると、5月4日にスペインのマドリードで開かれる東南アジア諸国連合と日中韓(ASEANプラス3)の財務相会合では、経済情勢に関する意見交換やチェンマイ・イニシアティブ(CMI)のマルチ化、アジア債券市場イニシアティブ(ABMI)などについて議論が行われる。
このうちCMIのマルチ化は現在、2国間の通貨スワップ取り極めによってネットワークが形成されている仕組みをマルチの契約によって一本化する内容。今回の会合では「イージー・マネーにならない仕組みをどうするか」という融資条件などサーベイランスの強化を中心に議論し、中間報告を公表する予定。規模については、現行のCMIの実質的な利用可能額が最大で580億ドル(双方向の総額は840億ドル)となっており「800億ドル程度をメドに今後、交渉することになる」という。
また、5月5日にはマドリードにおけるアジア開発銀行(ADB)の年次総会で、額賀福志郎財務相が総務演説を行う予定。
(ロイター日本語ニュース 伊藤 純夫記者)
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