税制改革の影響分析に着手、マクロ経済のリスク分析も政策課題に=経済財政諮問会議
[東京 29日 ロイター] 政府の経済財政諮問会議は29日夕の会合で年度後半の政策課題について議論した。終了後会見した大田弘子経済財政担当相によると、対日直接投資加速プログラムなど「経済成長戦略」に盛り込んだ政策課題の着実な実現に取り組むことを確認。税制改正がマクロ経済や企業・家計に及ぼす影響分析に着手し、秋の抜本税制改革の議論を促進させる。
下振れリスクが高まる日本経済が直面するリスクや外的ショックの影響のルートについても分析を行う。諮問会議では定期的にマクロ経済情勢について意見交換し政府・日銀間で認識の共有を図っているが、分析結果は時々の議論の素材を提供すると同時に、機動的な対応にも備える狙いがあるとみられる。
福田康夫首相は構造改革に関して「今年度後半は日本の将来のための重要な改革を推進していかなければならない。優先順位をつけ、真に重要課題を集中的に議論することを考えて欲しい」と指示。経済運営では「海外経済動向、その日本経済への影響を注視し、機動的に対応する必要がある」と指示した。
民間議員が提案した年度後半の政策課題(骨子)は以下の通り。
1.「経済成長戦略」の着実な実現
・「骨太2008」に盛り込まれた政策課題のうち、特に、1)WTO・FTAの推進や対日直接投資加速プログラム、外資規制の包括的あり方の検討、2)農地や経営主体等にかかる構造改革、3)新雇用戦略の実行、4)保育サービスなどの少子化対策、5)スーパー特区の拡大──などの議論を加速させる。
・羽田空港の国際化を柱とした航空自由化の工程表つくり
2.財政の諸課題
・税制改革の議論を進め、抜本的改革の早期実現を図る。
・税制改革が与えるマクロ経済への影響に加え、税制が企業や家計にもたらす影響、成長力に与える影響などの分析を提示する。
・道路特定財源の一般財源化では生活者の目線で使い方を見直す。
・財政再建を着実に進めるために、2011年度にプライマリーバランスを均衡化させた後の第3ステージ(2010年代)について、より具体的な目標を掲げるべきか、そのあり方を検討する。
・一般会計、特別会計全体を通じて、無駄ゼロおよび政策のたな卸しを徹底。
3.経済運営
今後の米国経済動向、原油価格度などの動向によって、日本経済にもさまざまな影響がもたらされる可能性がある。状況を正確に見極め、悲観的にも楽観的にもならず、必要な政策を冷静に迅速に講じることが必要。そのために、以下の点に留意することが必要。
・日本が直面するリスクと、それが顕在化した場合に国内経済にどのような影響がもたらされるかについて常に分析しておく。
・原油高や食料高については、世界的に新たな価格体系に移行しつつあることを踏まえて対策を講じるべきである。すなわち、価格高騰に対する直接的な補てんではなく、流通構造を含めた産業の効率化や省エネへの構造転換を推進する必要。
・今回の景気減速が米国経済や世界的な原油高・食料高など海外発であることから、安易に国内の需要を積み増す政策を行ってはならない。日本経済に、どのようなルートでどのような影響が及んでいるかを丹念に点検し、冷静かつ機動的に対応すべき。
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