WRAPUP1: 1―3月期粗鋼生産は39年ぶりの低水準、JFEは大手鉄鋼メーカーで初めて高炉休止へ
[東京 25日 ロイター] 自動車など鋼材需要先の生産激減を受けて、粗鋼の減産幅も拡大している。経済産業省が25日に公表した09年1―3月期の粗鋼生産見通しは、39年ぶりの低水準となった。高炉大手のなかでは、JFEホールディングス(5411.T: 株価, ニュース, レポート)傘下の鉄鋼事業会社、JFEスチール(東京都千代田区)が、今減産局面で大手鉄鋼メーカーとしては初めて高炉の休止を発表した。
<4―6月期も厳しい鋼材需要環境>
経済産業省は1―3月期粗鋼生産が前年比31.6%減の2110万トンになるとの見通しを発表した。減少幅は、4半期ベースでみて過去最大となるほか、2110万トンは、1970年1―3月期の1828万トン以来39年ぶりの低水準。経済産業省では「製造業を中心とした大幅な需要の減少と積み上がってきている鋼材在庫の調整」と要因を説明している。
需要面では、自動車メーカーの相次ぐ減産拡大などを受けて、1―3月期の鋼材需要は、前年比23.8%減の2166万トンと見通した。粗鋼生産を見通す前提となる自動車生産台数は、1180万台から1030万台に、新設住宅着工戸数は110万戸から106万戸に引き下げた。
こうした需要減に加え、10月末の薄板3品在庫が447万トンと、適正在庫といわれる400万トンを大きく上回って積み上がっている。経済産業省幹部は「生産水準が下がっており、すでに400万トンは適正在庫ではない。09年4―6月期も同様の生産対応で、在庫を370万トンまで落とすことが必要」と述べ、経済環境を見通しても、少なくとも4―6月期までは厳しい粗鋼生産状況が続くとの見方を示した。
<JFEは下期減産を400万トンへ拡大>
JFEスチールは、09年1月中旬をメドに西日本製鉄所(倉敷地区)の第3高炉を休止し、2008年度下期の減産幅を上期比150万トン減から400万トン減に拡大する。現在、西日本製鉄所には倉敷地区に3基、福山地区に4基の計7基の高炉が稼動している。倉敷地区の第3高炉は1990年に稼動を開始しており「2010―11年には高炉の改修が必要だった。これを前倒しして減産に充てることで、他の高炉の効率が上がる」(広報室)という。実際の改修着手や再稼動の時期は、経済動向をみながら決定することになる。
一方、新日本製鉄(5401.T: 株価, ニュース, レポート)は、下期200万トン強の減産を打ち出しているが「200万トン強ですむのか、すまないのか。もう少しきちっと詰めていく」(宗岡正二社長)と述べ、年明けまで見極める姿勢を示した。
09年1―3月期の見通しを織り込んだ2008年度の粗鋼生産は、1億0965万トン(07年度は1億2151万トン)となった。これは、2001年度の1億0206万トン以来の低水準となる。
鋼材の需要先である自動車や電機、産業機械などの業界において、需要見通しが確定していないことから、日本鉄鋼連盟は、例年12月に行っていた翌年度の粗鋼生産見通し公表を見送った。09年度の粗鋼生産見通しの方向観について、宗岡会長(新日鉄社長)は「(今年度より)下方に振れる」との見通しを示した。仮に、2009年度に1億トンを割り込むと、1999年度以来のこととなる。
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(ロイター日本語ニュース 清水 律子記者)
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