UPDATE2: リスク管理とリスクテークはともに重要、今後は後者にも光当てる=金融庁検査局長
[東京 20日 ロイター] 金融庁の畑中龍太郎検査局長は20日、ロイターとのインタビューで、貸し渋り防止などを目的に着手した集中検査について、金融機関におけるリスク管理とリスクテークはともに重要で、今後は後者にも光を当てていくとの方針を示した。金融機関による企業への融資判断については、09年3月期決算の内容だけで判断すべきではないとの考えも示した。
<金融業の本質は企業価値の『目利き』>
金融庁は、銀行などの貸し渋り・貸しはがしを点検する目的で、4―6月の3カ月間を対象に集中検査を進めている。畑中局長は「これまでの検査は(不良債権処理などの)リスク管理に重きを置いて運営し、リスクテークする態勢ができているかどうかは重点的にやってこなかった」とし、このため今回の検査に対しても、金融機関に「とまどいが生じているのだろう」と語った。
一方で、リスクテイクの検証は金融検査マニュアルにも記されているとし、「リスク管理とリスクテークのそれぞれの態勢を両方見ることが重要」と述べ、今後は「リスクテークにも光を当てる」との方針を示した。「リスク管理ができている金融機関は、リスクテークもきちんとできている。金融業の本質は、貸出先の実情をきめ細かく把握して真の企業価値を見極める『目利き』にある」と指摘した。
<決算結果で短絡的な融資判断すべきでない>
4月後半から2009年3月期の企業決算発表が本格化するが、畑中局長は、金融機関による企業への融資判断について、09年3月期決算の内容だけで短絡的に判断すべきではないとの考えを強調。「3月末の信用状況とさしたる変化がないのに1―2カ月で態度が大きく変わるのは一般的でない」と説明した。
検査結果によって「問題があれば、厳しく指摘する。改善を求める必要がある場合には警告を発する」とした。ただ、金融機関による個別の融資判断には介入しない方針は従来から変わらないと強調した。
集中検査の対象は大手9行はすでに決定しているが、地銀などの地域金融機関の対象については「まだ決めていない」とし、具体的な言及は避けた。
<次の事務年度はベター・レギュレーションが第2ステージに>
金融庁は、規制の実効性確保や金融機関の自助努力や納得感などを重視することでより良い規制環境づくりを目指す「ベター・レギュレーション」の取り組みを進めている。畑中局長は、これまでの取り組みを通じ「(金融機関と)言いたいことを言える関係は大体できてきた」との手応えを語り「次の事務年度は第2ステージへのステップアップの時期」と位置づけた。
第2ステージでは「(金融機関の)経営改善の役に立ったという評価が得られる検査」が重要とし、そのために検査力・検証力のパワーアップを図る考え。人、カネ、もの、情報の各要素について、人材育成、検査ツールの充実、海外当局や監督局との連携による事前の情報収集・分析力強化などを柱にした「アクションプラン2」を作成していると明らかにし「一部を4―6月に試行し、次の事務年度から組織を挙げてやっていく」と語った。
(ロイターニュース 布施太郎、平田紀之、デイビッド・ドラン)
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