任天堂の「Wii」ヒット、納入部品メーカーに人気波及
水野 文也記者
[東京 25日 ロイター] 任天堂(7974.OS: 株価, ニュース, レポート)が2008年3月期の営業利益見通しを上方修正し、部品を納入するメーカーなど関連銘柄に人気が波及している。飛躍の原動力となった「Wii」に関して、ヒット商品の「Wii Fit」といった追加機能が今後も広がれば、周辺メーカーのさらなる拡大につながるとの見方が出ていた。
任天堂(7974.OS: 株価, ニュース, レポート)は24日、2008年3月期の連結業績予想で、従来4200億円としていた営業利益見通しを4600億円に引き上げた。それを受けて同社株は、朝方から堅調に推移している。
今年度行った過去2回の上方修正時とは異なり、経常利益と純利益予想を今回は据え置いたが、これは期中に進行した円高の影響を加味したため。しかし、世界的に販売好調な「ニンテンドーDS」と「Wii」が一段と飛躍すれば、成長余地が広がるとの見方が多い。
ゴールドマン・サックス証券・アナリストの樋口夏子氏は任天堂について「為替動向が安定化し、景気後退局面でも現行のゲームサイクルの好調と持続性の高さが明確化されれば、評価余地が認識される」と指摘した上で「為替変動は織り込まれていると考えられ、レーティングは買いを継続」としている。
注目されているのは任天堂の株価だけではない。同社は収益見通しだけではなく、07年度の販売見込みについて、DSを2950万台(従来予想は2800万台)、Wiiは1850万台(同1750万台)にそれぞれ上方修正しただけに、部品メーカーが享受するメリットの大きさも関心を集めている。
株式市場では関連銘柄として、任天堂に製品を納入しているミツミ電機(6767.T: 株価, ニュース, レポート)、ホシデン(6804.OS: 株価, ニュース, レポート)、田淵電機(6624.OS: 株価, ニュース, レポート)などが人気化した。
実際、関連企業は「DS」「Wii」特需にわく繁忙状態だ。「Wii」などの組み立てやコントローラー納入を行っているミツミ電機では、例年、クリスマス商戦が終わったこの時期、生産調整が起きる。しかし、今年については「生産が落ちず高水準をキープしている。恩恵を受けた格好の数値が計上できそうだ」(同社の広報担当者)という。
接続部品などを手掛けるホシデンの広報担当者は「具体的な数値は明かせない」としたうえで「ゲーム機向け好調の影響を受けている」と話す。
<「脳トレ」の投入を機にユーザー層が拡大>
「DS」「Wii」がヒットした背景には、従来は子供やマニア向けイメージの強かったゲームが、「脳トレ」などの投入で新たなユーザー層を開拓したことが大きい。これがそのまま数量増になっているほか、健康をテーマにヘルスとエンターテインメントを融合した「Wii Fit」など追加機能も拡大に寄与した。この追加機能の広がりが、周辺企業に新たなビジネスチャンスをもたらすとの見方が出ている。
任天堂のビジネスモデルは、ハードを売る一方で周辺ソフトも同時に広げて収益を拡大していくが、部品メーカーはハードの伸び悩みや納入売価引き下げなどがあった場合、新機種の投入がなければ高収益を維持することができない。
しかし、「Wii」に関しては「追加機能がヒットしていることが部品メーカーに恩恵をもたらしている」(大和総研・アナリストの佐渡拓実氏)という。
佐渡氏は関連企業について「通常なら部品の売り値低下で伸びが止まる。そのため、先行きに関し本体の追加機能が今後も広がりを示すか、内製部品をいかに納入していくか、などがポイントになる」と語っていた。
(ロイター日本語ニュース 編集 田巻 一彦)
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