ワーナーとユーチューブの提携解消、音楽会社の弱い立場浮き彫りに
[ニューヨーク 24日 ロイター] 米ワーナー・ミュージック・グループが、動画共有サイトのユーチューブとの提携を解消し、傘下アーティストのすべての音楽ビデオクリップを同サイトから削除することになった。
CDの売り上げが大きく落ち込み、デジタル音楽の成長も鈍化する中、音楽会社は動画サイトへのビデオ配信が収入を伸ばす鍵とみる。
しかし、調査会社コムスコアの統計では、米国でのユーチューブ利用は10月だけで1億ユーザー以上と、マイスペースと並んで若者が音楽に触れる最も重要な手段の一つとなっているだけに、音楽会社も強い立場で交渉しづらいのが現実だ。
世界第3位の音楽会社であるワーナーは2006年、大手としては初めてユーチューブと提携し、人気バンドのレッド・ホット・チリ・ペッパーズやラッパーのT.I.のビデオ配信を開始。この提携は、米グーグルによるユーチューブ買収以前に合意されたが、業界関係者によると、その後に提携した競合のユニバーサル・ミュージック(VIV.PA: 株価, 企業情報, レポート)やソニー・ミュージック(6758.T: 株価, ニュース, レポート)は、ワーナーよりも有利な提携内容で合意したとされる。
20日行われたワーナーとユーチューブの交渉に詳しい2人の関係者によると、ワーナーが音楽ビデオ使用料の増額を求めたのに対し、ユーチューブがこれを拒否し、交渉が決裂した。
ユーチューブはレコード会社に対し、通常はストリーミング1回につき約0.5セントを支払うか、ビデオとともに流れる広告からの収入を分け合うことになっている。
関係者によると、2008年のワーナーのデジタル部門の売上高は6億3900万ドル(約580億円)だが、ユーチューブからの分はこのうちの1%にも満たなかった。これに対し、業界1位のユニバーサル・ミュージックがビデオ配信の各パートナーから得る収入は、合計1億ドル弱。このうちユーチューブからは数千万ドルを得ているという。
年初来で株価が6割近く下落したワーナーのエドガー・ブロンフマン最高経営責任者(CEO)は、音楽会社として唯一株式を公開しているという事情から強い圧力を受けており、ユーチューブのようなパートナーからそれなりの利益が得られることを、株主に示す必要が出てくる。
ワーナーはユーチューブが非常に重要な広告媒体と考えていたが、ユーチューブ側は今のところ、収入よりもより多くのユーザーを集めることに注力している。
ワーナーに近い関係者は、マイスペースやAOLがユーチューブより高いビデオ使用料を支払っていることに触れ、「ユーチューブは最初の契約通りに音声認識の技術などを導入したが、その間にわれわれは収入が減り、彼らも競合他社に遅れを取った」と語っている。
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