リーマン破綻から1年、過剰流動性に乗り切れない日本株

2009年 09月 15日 16:53 JST
 

 [東京 15日 ロイター] 世界の金融市場を麻痺させ、歴史的な経済収縮の引き金となったリーマン・ショックから1年。「100年に1度の危機」とも言われた金融市場は最悪期を脱し、日本株も世界的な株高の流れに乗って上昇した。

 しかし、不安要素が完全に払しょくされたわけではない。海外勢頼みの東京市場には需給構造に危うさもあり、年末に向けて企業や金融機関の増資が相次げば、これまで保ってきた需給の均衡を崩すおそれもある。

 <投資家心理は落ち着いたが>

 米リーマン・ブラザーズの破たんをきっかけに加速度的に悪化した世界経済は2009年1―3月期をボトムに回復局面に入っている。米国では住宅市場が安定化しつつあり、雇用も減少幅が縮小している。欧州経済に底入れの兆しが出てきたほか、中国などの新興国では再び高成長路線が視野に入ってきた。日本でも「米経済の底入れを背景に輸出が回復し、当面プラス成長が続く」(大手調査機関エコノミスト)との声がある。

 株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)は14日現在、23.86とリーマン破たん前の水準まで低下。投資家心理の落ち着きを示している。各国政府が金融緩和の出口政策に踏み切れないなか、過剰流動性が株高を支えるとの見方も少なくない。

 しかし、日本株を需給面からみれば不安要素もある。東京市場の売買動向を単純化してみると、海外勢頼みの需給構造が鮮明になる。海外勢はリーマン破たん後の08年9月から7カ月連続で日本株を売り続け、金額ベースで約6兆円売り越した。その後09年4月から5カ月連続で買い越しとなり、約2.4兆円の日本株を買っている。日経平均も海外勢の買い転換と同時に底入れ、反発に向かっている。日本株への影響力は依然大きい。

 みずほ証券・投資情報部長兼投資戦略室長の倉持靖彦氏は、リーマンショック後に積みあがった米国MMFの残高減少に注目している。「MMFからの資金流出は海外投資家のリスク回避指向の後退を示している。残高は今年1月に付けたピークの3.9兆ドル(約350兆円)から減少傾向にあるが依然高水準であり、待機資金は豊富だ。グローバル投資の中で日本株が買われる余地は残っている」とみている。

 ただ、リーマン破たん前日の日経平均1万2214円を回復するには時間がかかると倉持氏はいう。「金融システムや投資家心理は回復したが、企業や金融機関のバランスシートの問題は未解決だ。日本では90年以降のバブル崩壊時にも経験しているが、バランスシートの修復は簡単ではない」と指摘している。  続く...

 
 
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