中国のドル調達金利が急上昇、背景に人民元先高観測
[上海 5日 ロイター] 中国の外国為替市場で人民元の上昇観測が再燃し、ドル不足に拍車が掛かっている。期間6カ月のドル調達金利は2カ月間で3倍に急上昇し、人民元の安定を維持しようとしている中国政府の通貨政策へも影響を与えそうだ。
中国の銀行はドルの価値低落への懸念から、過去2カ月間、中央銀行である中国人民銀行への余剰ドル売却を積極的に進めている。その一方で銀行の顧客である企業は、人民元上昇への思惑や裁定取引のため、人民元購入に向けたドル資金の借り入れに傾斜を強めている。
人民元の先高観測がすぐに下火になるとは考えにくいことから、中国のドル調達コストは今後も上昇基調を維持する見込みで、手が届かないほどの高水準に達し、銀行の外為業務や貿易、投資といった目的での企業によるドル調達までも危険にさらすリスクがあると市場関係者は指摘する。
深センの商業銀行のディーラーは「市場でのドル不足が深刻だ」と述べ、「銀行がドルを手元に置きたがらず、一部の顧客は裁定取引を行うためドル資金を借りており、状況は今後数カ月間に悪化する可能性が高い」との見方を示した。
中国の輸出産業を世界的金融危機による混乱から守る目的もあり、中国人民銀行は2008年7月から人民元の対ドル相場を事実上固定し、1日の許容変動幅を基準値の上下0.5%に設定している。
市場の予想とはうらはらに、人民銀行はこの政策を早期に転換し、05年7月から08年7月まで続いた人民元の着実なペースでの上昇を再開させる気配は見せていない。
しかし、金融危機の最悪期は過ぎた可能性が高い現在、中国経済は主要貿易相手国よりも速いピッチで回復しており、欧米の政策担当者は中国政府に対し、貿易不均衡是正のため人民元の上昇を容認するようあらためて呼び掛けている。
<市場の動揺> 続く...
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