白川日銀総裁記者会見の一問一答

2008年 11月 21日 19:25 JST
 

 [東京 21日 ロイター] 白川方明日銀総裁は21日、金融政策決定会合後に記者会見を行った。詳細は以下の通り。 

 ──景気判断と政策決定について聞きたい。

 「これまでの金融市場調節方針を維持することを全員一致で決定した。決定の背景は、わが国景気については、エネルギー・原材料価格高の影響や輸出の減少などから停滞色が強まっており、海外経済の減速が明確化するもとで、当面こうした状態が続く可能性が高いと判断した。即ち、輸出は海外経済の減速を背景に減少している。企業部門では、企業収益が減少を続けており、設備投資は減少している。家計部門では、雇用者所得の伸び悩みや、エネルギー・食料品価格の上昇などから個人消費は弱めの動きとなっている。住宅投資は横ばい圏内で推移している。こうした内外需要のもとで、生産は減少を続けている。物価面では、除く生鮮食品ベースの消費者物価は9月の前年比がプラス2.3%となったが、石油製品価格の下落や食料品価格の落ち着きを反映して、今後低下していくと予想される。わが国経済の先行きについては、やや長い目でみれば、物価安定のもとでの持続的な成長経路に復していく可能性が相対的に高いと判断される。ただし、こうした見通しに関する不確実性は、いつも言っている通り、非常に高く、世界経済の減速や国際金融資本市場の動揺を踏まえると、回復への条件が整うには相応の時間を要するとみられる」

 「こうした見通しに関するリスク要因をみると、景気については引き続き下振れリスクに注意する局面にある。これまでの各国政府や中央銀行による対策を受けて、短期金融市場では幾分改善がみられているが、国際金融資本市場は依然として強い緊張状態にある。こうしたもとで世界経済には下振れるリスクがある。また、わが国の金融環境についても、中小零細企業で資金繰りが悪化しているほか、大企業でも市場での資金調達環境が悪化している。こうした状況が厳しさを増す場合は、金融面から実体経済への下押し圧力が高まる可能性がある。物価面については、上振れリスクは以前と比べて小さくなっている一方、景気の下振れリスクが顕現化した場合や、国際商品市況がさらに下落した場合には、物価上昇率が一段と低下する可能性がある」

 「金融政策運営の考え方については、経済・物価の見通しと、そのがい然性、上下両方向のリスク要因を丹念に点検しながら、適切に金融政策運営を行っていく。また国際金融資本市場の動向を注視しつつ、引き続き金融市場の安定確保に努めていく方針だ。この間、わが国では、国際金融資本市場の動揺の影響から、投資家のリスク回避姿勢が強まっていることを背景に、CP、社債の信用スプレッドが拡大しているほか、CP、社債発行見送りの動きが広がるなど、市場での資金調達環境が悪化している。また中小零細企業では、資金繰りや金融機関の貸出姿勢が厳しいとする先が増加している。こうした状況を踏まえ、本日の会合では、企業金融の動向について、詳細に点検するとともに、その円滑化に資するために、中央銀行として、どのような対応が適切かについて議論した。この議論を踏まえ、当面、CP現先オペを一層活用していくとともに、民間企業債務の適格担保としての取り扱いや、民間企業債務を担保とする資金供給面の工夫について、すみやかに検討、報告するよう、私から執行部に対して指示した」

 ──デフレのリスクについてうかがいたい。景気後退に入った米欧ではデフレトレンドに入り、日本も再びデフレの入り口に差し掛かるとの指摘も出ている。

 「デフレの議論をする場合は定義を最初に明らかにしたほうがよい。これまでデフレという言葉は少なくとも3通り使われてきた。景気が悪いのをデフレ的と使う場合。2つ目は資産価格が下落している状態。3つ目は物価、なかんずく消費者物価が下落している状態」

 「中でも物価の下落に焦点を当てて、今後どうなるかという質問だと理解すると、物価は7月まではエネルギー、原材料、食料品価格の上昇から各国とも非常に上昇率が上がった。主として原材料価格等の転嫁の動きからで、日本でも同様の理由から消費者物価が2.4%まで上昇した。この先は、国際商品市況が下落に転じている影響で物価上昇率もこれから低下し、さらに下振れる可能性もあるとみている。海外でも同様で、物価上昇率がすでに下がってくる傾向がみえ始めている」  続く...

 
 

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