日本の投資家に魅力的なのは社債と欧州株=UBS証券
[東京 2日 ロイター] UBS証券ウエルス・マネジメント部エコノミストのブライアン・ローズ氏は2日、日本の投資家にとって中長期な投資対象として魅力的な資産は、社債と欧州株式との見方を示した。
また、今後の投資判断を行ううえでインフレと円安のリスクを考慮することが重要で、「インフレが上昇すれば現金の価値が下がるため、日本の投資家が円の現金を持ち続けることが安全とは言い切れない」と述べた。
同氏は都内で記者会見し、金融危機に伴う市場混乱の長期化で投資家のリスク許容度が低下するなかで「日本の投資家にとって1番魅力的な資産クラスは、利回りが非常に高くなっている社債」と指摘。株については「日本株はある意味で割安だが期待成長率が非常に低い。割安感が強いユーロ圏の株の方が魅力がある」と述べた。このほか、アジアで今後の成長が期待される中国やインドの株式への投資も日本株投資よりも有望との見方を示した。
世界を襲った金融危機の影響については、これまでの自由市場主義や国際主義から、政府が介入の範囲を広げる方向に政策のパラダイムシフトが起きていると指摘した。そのうえで人口高齢化の進行に加え、レバレッジの解消や金融業への規制強化などを背景に、中長期的な先進国の潜在成長力は低下するとの見通しを示した。
一方で、経済再生に向けた大型の財政出動などで日米を含む各国政府の財政が急激に悪化しており、「インフレが起こりやすい状況を作っている」と分析。財政再建のため政府がインフレ上昇へかじを取る可能性や、景気回復に伴う商品価格の上昇の可能性などから、同氏は「中長期的にインフレリスクが上昇する」との見通しを示した。シナリオとしては「今年の第3・四半期から米企業収益がプラスに転じ、2010年にかけてゆっくり回復するが、景気回復に伴い商品価格が上昇し、2011年頃にはインフレリスクが高まる」ことを想定しているという。
日本については、GDPに対する公的債務の比率が200%近くまで上昇している一方で、高齢化で労働人口が減少傾向にあり、負債を返済するために税収を増やすには「インフレを起こして名目GDPの成長を加速させるしかない」と指摘。このため、日本の投資家が、一般的に安全資産とみなされる現預金を保有することは「将来、実質的なリスクとなり、リターンの悪化を招く可能性が高い」と述べた。
(ロイター日本語ニュース 大林優香記者)
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