焦点:破産法申請の決断をためらうCEOたち

2009年 04月 5日 10:27 JST
 

 [ニューヨーク 2日 ロイター] マッコーリー・キャピタルUSAの企業再建エキスパート、マイケル・ブルーダー氏はしばしば企業で門前払いを受ける──まるで「取り立て人」であるかのような扱いだ。

 しかし、同社のニューヨークチームを率いるブルーダー氏の仕事は、困窮に陥った企業の最高経営責任者(CEO)たちに対し、会社を救うには(経営再建を目的とした)米連邦破産法11条の適用を申請するのが最善の道だとに助言することだ。

 法律事務所ジョーンズ・デイによると、2008年の米国内の企業破産は、世界的な金融危機や個人消費の落ち込み、貸し渋りなどの影響で、前年比で63%増加。マッコーリー・キャピタルでは、2009年にはその数がさらに増えるとみている。

 一方で、破産法適用の申請の遅れによって企業の再建に時間がかかったり、時には再建不能に陥るケースさえあるにもかかわらず、企業のトップたちの中には同法申請を回避しようとする動きがみられるという。

 先日、破産法適用を申請した寝具販売「1800マットレス・ドットコム」のジョセフ・ビセンス最高執行責任者(COO)は「敗北感を味わいたくない一心から、破産法の申請時期が本来すべき時期より遅くなったかもしれない」と振り返る。同氏は、より早い時期に同法を申請していれば不動産リースなど高額な債務を免れられ、会社の再建も3─6カ月間早まっただろうとみる。

 同社の破産法申請の遅れはまた、債権者に同社への(会社清算を目的とする)連邦破産法7条の手続きを申し立てさせ、裁判所に対し業務を引き継ぐ管財人の指名を要請する事態をも招いた。こうした債権者たちの動きを受け、同社は11条の適用申請に踏み切った上で、現在競合の「スリーピーズ」への身売りを検討している。ビセンス氏は「破産法の申請だけは避けたかった」と述べ、苦渋の決断だったことを明かした。

 とりわけ創業にかかわった役員などは、外部のアドバイザーよりも自分たちこそが会社のことを熟知していると信じて疑わない。彼らは事業がつまずきかけた時点で自らが機敏に対応しなかったと認めることに徹底的に抗い、破産が「失敗の烙印」として自分のキャリアに生涯付いて回ると恐れている。

 破産では、企業が自らの弁護士費用や経営コンサルティング、債権者委員会の弁護士を含む各種アドバイスの費用を負担しなくてはならず、決して「安上がり」な策ではない。  続く...

 
 
Photo

ロイターオンライン調査

写真

デフレ環境下で急速な円高が進み、「ドバイショック」も加わった。「日本株は売り材料ばかりで、八方ふさがりだ」との声も。  ブログ