白川日銀総裁記者会見の一問一答

2009年 05月 22日 18:31 JST
 

 [東京 22日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は22日、金融政策決定会合後の記者会見で「崖から落ちるとか、あるいはフリーフォールと、そういった状態はとりあえず過ぎ去りつつある」としたうえで、4─6月期GDPについても大幅改善を予想した。しかし、景気の先行き見通しについては、在庫調整が終了した後の最終需要の強さに不確実性が高いと指摘し、引き続き下振れリスクに注意を促した。今回の景気表現の変化については、上方修正と言い切ることには疑問を呈した。

 会見の詳細は以下の通り。 

 ──今回の決定に至った経緯を説明してほしい。景気判断も上方修正したようだが。 

 (「当面の金融政策運営について」を読み上げ)「(今回の景気の表現について質問者が)上方修正したと言っていたが、上方修正という言葉の定義によると思うが、色々な表現があるが、崖から落ちるとか、あるいはフリーフォールと、そういった状態はとりあえず過ぎ去りつつあると思っている。展望リポートでは、わが国経済は悪化テンポが徐々に和らいで、次第に下げ止りに向かうとみられるという表現をしている。ほぼ、そうした予想通りに足元の状況が変化をしているということだ。そういう意味で、上方ではあるが、これを修正と言うのかどうか、われわれの予想通り展開しているので、上方修正という言葉になじむのかなという感じはするが、とりあえず、今日の決定会合での決定の内容は以上の通り」

 ──1─3月期GDPの大幅下落で景気は底を打ったとの見方あるが。

 「景気が底を打ったという言葉自体が文学的表現なので、文学の定義をしないと中々難しい。確かに1─3月GDPは、内外需の不振から前期比年率でマイナス15.2%と過去最大の減少率となった。4月末に公表した展望リポートにおいては、こうした厳しい姿については予想しており、その数字自体は概ね予想に沿った結果だったと受け止めている。足元では、内外の在庫調整の進捗を背景に輸出や生産は下げ止まりつつあり、先行きは経済全体としても、悪化テンポが徐々に和らぎ、次第に下げ止まっていく可能性が高いと判断している。したがって実質GDP成長率という数字についてみると、4─6月期は1─3月期に比べて大幅に改善するとみられる。もっとも景気の先行き見通しについては、在庫調整が終了した後の最終需要の強さがポイントになってくると思う。この点については不確実性が高いということで、私どもとしては下振れのリスクに注意しながら、状況を見ていく必要があると考えている。底入れ、底打ちということについては、今の回答で答えにかえたい」

 ──米当局の大手行に対するストレステスト(健全性審査)の評価と日本のメガバンクの増資に対する見方は。

 「日本の経験を踏まえると、不良債権問題の解決に向けて、金融機関の資産評価を厳格に行うとともに、不良資産を迅速に処理し、バランスシートの不確実性を除いていくことが必要。その過程で自己資本が毀損(きそん)した場合には、速やかに回復し、十分な自己資本基盤を維持していくことが重要。そうした意味で、米当局によって行われたストレステストは、先行き2年間の共通のより悲観的な景気シナリオを前提に、2010年末までを見通して現時点で必要な自己資本の額を示したもの。これは日本の経験に照らしても必要なステップであり、米国の金融システムが安定化に向かうことを期待している。こうした結果を受けて米国の金融機関は自己資本の調達を行っている。自己資本の充実を行うこと、あるいはその中で、中核的なコアとなる自己資本を充実させていくことは望ましい」  続く...

 
 

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