アジアが米国向け輸出で成長加速するのは中長期的に不可能=ADB総裁
[東京 12日 ロイター] アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁は12日、都内で講演し、アジア全体の経済成長率は今年はプラス3.4%に落ち込むものの、来年はプラス6%に戻ると「比較的楽観的な見方」(同総裁)を示した。
しかし、アジアが米国向け輸出で成長を加速させるのは、中長期的にもはや不可能になると指摘。またアジアが米欧に先駆けて、世界経済回復の先導役となれば、アジア通貨への切り上げ圧力もありうるとの見通しを示した。
<アジア経済が景気回復の先導役つとめれば、通貨への切り上げ圧力も>
アジア経済が比較的高い成長となりそうな要因について同総裁は、株価や通貨も戻しており、金融面でリーマンショックからの悪影響が限られていること、中国、インド、インドネシア、べトナムなどで高めの成長が期待できる点を挙げた。特に中国については「既にボトムアウトしたと言ってもおかしくない状態」と指摘した。
特に2010年については、同年後半に米欧などの景気回復が期待できること、アジア各国で大幅な財政・金融政策を採っているため、再び6%成長への回帰が期待できるとした。
しかし同総裁は「アジアが米国への輸出によって成長を加速するのは、中長期的に不可能」と、その後については慎重な見方を示した。米国での家計の債務状況が深刻で、力強い消費の回復が当面、期待できないためだ。
そのため、今後のアジア経済については、輸出主導の成長から、国内あるいはアジア域内の成長への依存度を高めるように経済構造を転換することが必要と協調した。具体的対策については、貯蓄率を低下させるような社会福祉システムの整備などが必要だと述べた。
また、アジア経済が「欧米に先んじて回復し、世界の景気回復の先導役つとめる状況になれば、アジア通貨への切り上げ圧力」が出てくる可能性があると警告した。そうした場合「協調して域内通貨どうしはできるだけ安定させ、ドルやユーロに対しては、フロートアップさせていくことが必要」として、域内の為替レートの大幅変動をチェックするしくみを作ることが重要と指摘した。 続く...












