UPDATE3: ECB理事会後のトリシェ総裁の発言要旨
[フランクフルト 7日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は7日の理事会で、主要政策金利である定例買いオペの最低応札金利を4.00%に据え置いた。理事会後の記者会見でのトリシェ総裁発言要旨は以下のとおり。
<経済活動の下振れリスク>
ユーロ圏の経済ファンダメンタルズは健全だが、データは経済活動の見通しをめぐるリスクが下向きであることを確認している。われわれは今後数週間、引き続きすべての動向を非常に注意深く監視(monitor very closely)していく。
<成長の鈍化>
年明け頃の経済活動に関する最新データは、ユーロ圏の成長が、2007年第3・四半期に見られた前四半期比0.8(%)の伸びから一段と減速していることを示している。この評価は企業・消費者信頼感と一致している。(これら指標は)この数カ月低下しているが、全般的には引き続き成長の持続を示す水準にとどまっている、
将来的には、一部の主要貿易相手国の景気減速が、ユーロ圏の08年の実質国内総生産(GDP)の伸びに影響する可能性がある。国内外の需要は引き続き成長を支援する見通し。
ユーロ圏経済のファンダメンタルズは依然として健全だ。ユーロ圏には重大な不均衡はない。
おそらくこれまでの予想ほど良好ではないものを含め、あらゆる情報やデータに基づいたうえで、成長の持続を確認した。(現在の成長は)潜在的成長率に近いと言えるが、おそらくその下限だ。
<物価安定リスク>
今回の金利据え置き決定は、マネーと信用の非常に力強い伸び(very vigorous money and credit growth)を背景に、中期的物価安定へのリスクが上向いているとのわれわれの評価を反映している。
現在の短期的なインフレ上昇圧力が中期的に波及することがあってはならない。中長期的なインフレ期待の強固な抑制(firm anchoring of inflation expectations)が最優先事項だ。
理事会は二次的影響と中期的な物価安定への上向きリスクの顕在化を回避することに、引き続きコミットしている。この問題は非常に重要なものだ。われわれの主要なメッセージは、二次的影響を歓迎しないということだ。二次的な影響とは、2つの主要な不安定化の可能性に対応している。1つは価格設定で、ユーロ圏経済の一部では、高いレベルの競争を伴なう経済で見られるべき水準と一致しない価格設定が見られる。特にユーロ圏経済の一部の食品価格などについて述べている。それから賃金水準を決定する社会的パートナーにも言及しておく。これが例外的に重要なのは、インフレ期待の不安定化を避ける唯一の方法、中期的な物価安定というわれわれの任務を実現できる唯一の方法だからである。
<据え置きは全会一致>
金利の4%据え置き決定は全会一致だ。利上げや利下げの要請はなかった。とはいえ、われわれが置かれている状況を構成する全ての要素を徹底的に討議しなかったというわけではない。
<短期金融市場の緊張>
(短期金融市場の)緊張が疑いなく軽減したことに、われわれは非常に満足している。
<異例の不透明性>
われわれは中期的な予断を持たない。今後数カ月は非常に高水準、異例に高水準の不透明性(unusually high level of uncertainty)で特徴付けられるとだけ言っておく。
<ドル流動性の動き>
米連邦準備理事会(FRB)やスイス国立銀行と1月に実施した対策にも非常に満足している。
<警戒>
警戒についてはコメントしない。
<金融市場のリスク>
リスクは、金融市場の動向が貸し出し基準や景況感に及ぼす影響に主に関連している。それは現在予想されているよりも広範囲である可能性があり、世界やユーロ圏の成長へのマイナスの影響を及ぼす。
<商品市況>
さらなる下振れリスクは、原油や他の商品市況の一段の上昇の程度や、保護主義的圧力、世界的不均衡による無秩序となり得る動きに起因する。
<消費>
実質可処分所得と一致した消費の伸びは引き続き景気拡大に寄与し、投資の伸びは持続的な支援につながるとみられる。
<金融市場>
理事会は二次的影響と中期的な物価安定への上向きリスクの顕在化を回避することに、引き続きコミットしている。金融市場でのリスク再評価が続くなか、実体経済への全般的な影響に関する異例に高い不透明感が引き続き存在する。
<米国>
(米国からの)デカップリング論に与したことは、ただの一度もない。
<FRB利下げ>
米連邦準備理事会(FRB)は自身の分析に基づいて決定を下したと思う。FRBの決定はFRBの決定だ。
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