UPDATE5: 三井住友FG<8316.T>が日興を5450億円で買収、大和証券と3社協議へ
[東京 1日 ロイター] 三井住友フィナンシャルグループ(8316.T: 株価, ニュース, レポート)は1日、米シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)からリテールの日興コーディアル証券のすべての事業と、ホールセールの日興シティグループ証券の一部事業を買収することで合意したと発表した。三井住友は金融商品の販売力強化と同時に、株式や債券の引き受け機能を得てホールセール業務も拡充させる。三井住友はさらに、米シティとも業務提携することで合意した。今後の焦点は提携関係にある大和証券グループ本社(8601.T: 株価, ニュース, レポート)との関係調整に移る。記者会見した三井住友銀行の奥正之頭取は大和との関係ついて「(三井住友・日興・大和の)3者にとって建設的なディスカッションをしていく」と語った。
<グループの預かり資産残高は個人預金含めて64兆円>
会見で北山禎介・三井住友FG社長は今回の買収のメリットについて、個人の顧客に対しては「投資商品へのアクセスが強化される」、法人顧客に対しては「資金調達のメニューやグローバルリーチなどを考え、より適したサービス提供が可能になる」と説明した。
三井住友がシティに支払う金額は、事業対価としての5450億円とシティが保有する上場企業の株式の買い取り価格285億円となる。シティは事業売却により2010億円のローンを削減できるため、売却で得た資金も合わせると今回の取引で7745億円の経済効果があったとした。シティは08年に日興グループを買収し、今回の売却で約200億円の損失を計上する。日興コーデが子会社を設立し、買収対象となる事業を事業譲渡し、三井住友がその新設会社の株式を買い取る方法を取る。買収手続きは2009年10月1日付で完了する予定。約7800人の日興社員が、三井住友に転籍するなど異動の対象になる。
日興の預かり資産24兆円を加えた三井住友グループ全体の預金を含めた預かり資産が64兆円となる。三菱UFJフィナンシャル・グループの80兆円超には及ばないが、急追する格好だ。日興コーディアルの支店網獲得で三井住友の販売力は増大。三井住友傘下のSMBCフレンド証券の75店舗に、日興コーデの109店舗が加わり、計184店舗に拡大する。買収後に一部支店を統廃合しても、国内大手の野村証券の172店舗と肩を並べ、大和証券の118店舗を上回る規模になる。
ホールセール分野では、日興シティのうち、上場企業の株式の引受(ECM)や債券の引け(DCM)部門のほか、法人顧客担当部門を譲り受ける。トムソンロイターの調査によると、2008年1─12月期の国内の債券引受リーグテーブルで日興シティは5位(2兆3803億円)、マーケットシェアは11%。株式引受け(エクイティファイナンス)リーグテーブルでは3位(約1554億円)、市場シェアは10%となった。日興シティは07年12月期にも3位で、大和、野村に並んでエクイティファイナンスの上位3指に入る常連となっている。引き受け部門で得た債券や株式を日興コーデのネットワークに乗せて販売し、買収の相乗効果を高める。
今回の買収に、資産運用会社の日興アセットマネジメントと、自己資金投資会社の日興プリンシパル・インベストメンツは含まれない。
<経営資源の分散避け、大和との事業統合も>
三井住友は、大和証券グループとの間で三井住友4割、大和6割ずつで出資する合弁会社、大和証券SMBCを展開している。記者会見で、奥頭取は「(経営)資源の分散にならないようにしたい」と語ったうえで、「(大和に)了解を得られたら大和SMBCに日興のホールセールを統合していくのが有力な選択肢と思っている」と述べ、「大和と日興の力が加わった形で日本一の証券ビーグルにしていく」と強調した。
ただ、リテール分野での早急な統合は難しいとして、「(リテール証券の統合は)今現在は可能性として低い」と語った。
一方、三井住友FGの北山社長はこれまで提携関係にある米ゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)や英バークレイズ(BARC.L: 株価, 企業情報, レポート)との関係について、今後も提携を継続させる考えを示した。北山社長はそれぞれの金融機関はフランチャイズや顧客基盤にそれぞれの特徴があるとし、「ケースバイケース、ディールバイディールとはなるが、我々から見れば、グローバルなリーチのスコープと深さが広がることになるので、われわれにも価値がある提携が期待できる」と述べた。GSについては、今回の買収で三井住友側のアドバイザーをつとめており、日興買収についても理解を示しているとした。
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(ロイターニュース 江本 恵美記者 布施 太郎記者)
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