〔クロスマーケットアイ〕海外勢が株/債券売りで現金化急ぐ、金融市場の混乱長期化を懸念

2008年 10月 7日 16:04 JST
 
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<東京市場 7日>

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日経平均   |国債先物12月限| 国債296回債  |ドル/円(15:30) |

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  10155.90円 | 138.30円 | 1.435% | 102.84/89円 |

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-317.19円 | -0.25円 | +0.065% | 101.32/37円  |

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注:日経平均、国債先物は大引け、現物の価格は午後3時半の値。

下段は前営業日終値比。為替は前営業日NY終盤。

 [東京 7日 ロイター] 7日の東京市場は大荒れの展開。日経平均.N225が一時

1万円を割り込んだにもかかわらず、長期金利は0.05%超上昇した。米ダウ平均株価

.DJIの1万ドル割れを受けて、金融市場の混乱は長続きする、との見方が市場を支配。

海外勢が日本株や日本国債などの資産を売り現金化する動きを強めた。為替市場でも、新

規のポジション構築ではなく、短期筋を中心にしたポジションの投げがレートの決定要因

になっている。

 <朝方のバスケット買いはゼロ>

 東京株式市場で 日経平均は大幅続落。一時、下げ幅は前日比500円を超え2003

年12月以来となる1万円大台割れとなった。米国から欧州に広がる金融不安に景気後退

懸念が加わり世界的にリスク資産から資金が逃避しているほか、日本は円高が進行したた

め輸出企業の収益にも懸念が出た。

 市場筋によると、朝方のバスケット注文は売りが900億円、買いがゼロと買いが極端

に薄いなか投げ売りも加わり下げ幅を拡大させた。

 オーバーナイトで世界的な株安が急激に進んだのは、欧州の金融問題が深刻になってき

たと受け止められたからだ。欧州の複数の政府は大手金融機関の救済や預金者の保護を余

儀なくされているが、基金創設など協調的な銀行救済策では合意できなかった。

 市場では「欧州金融機関が保有する証券化商品は米金融機関の4─5倍とも言われてお

り問題が顕在化するのはこれからだろう。調整の難しさもあり政策が後手に回るおそれも

ある。米国は金融機関に資本注入するという処方せんがみえているが欧州での金融問題は

これからだ。グローバル経済の中で欧州だけを切り離すことはできず、世界的に影響がお

よぶ可能性がある」(ユナイテッド投信投資顧問シニアファンドマネージャーの高塚孝一

氏)と警戒する声が出ている。

 <急落後の先行き読めず>

 ただ大台割れ後は下げ渋る展開もみせた。先物やメガバンク株に買い戻しが入り、日経

平均は1万円を回復して引けた。「現物に国内年金とみられる押し目買いが幅広い銘柄に

入ったのをきっかけに、外資系から先物に大口の買い戻しが入った。現物の投げ売りも一

巡した感がある」(大手証券エクイティ部)という。買い戻しは短期筋が中心だったが、

GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)で米株先物がプラスで推移して

いるほか円高も一服していることでひとまず様子見状態に戻っている。

 りそな信託銀行、チーフ・ストラテジストの黒瀬浩一氏は「今後、どういった政策が打

ち出されるかによって、株価の展開は大きく変わってくるが、現段階ではまだ展望が開け

ていない。米国は金融機関に対する資本注入による金融の再生と住宅市場の再生とを一体

的に図る必要がある。これが手つかずの現状では金融不安はまだ5合目にも達していな

い」と話している。

 そのうえで「現在の市場はパニックになっており、合理的なプライシングができなくな

っている。ただ、ここからの下値余地はそう大きくないとみており、あえて日経平均

.N225の下値のメドを探すとすれば9000円割れ程度。米ダウ平均の想定も困難だが、

フシを探すとすれば9000ドル程度」という。

 大和証券SMBC、グローバル・プロダクト企画部部長の高橋和宏氏も慎重に見てい

る。同氏は「金融問題が信用の収縮をまねき、雇用や消費、設備投資にも影響が出始めて

いる。以前は今年10─12月期に景気はボトムをつけるとみていたが来年1─3月期に

後ずれしそうな情勢だ。消費者心理の悪化次第では回復がさらに後ずれする可能性もある」

という。日経平均は9500円水準がいったんのボトムだが、政策が何も出ないような場

合は、ズルズルと下値を切り下げることもあり得る、とみる。

 <海外勢が円債に利益確定売り>

 円債は乱高下。前日の海外市場では株価が軒並み下落するなど米国発の金融危機が世界

に波及するとの観測から、取引開始直後はリスク資産の株式を売る一方、安全資産の国債

を買う動きが先行。日経平均が一時1万円の大台を割り込んで下げ幅を広げたこともあ

り、国債先物中心限月12月限は25銭高の138円80銭に上昇。10年最長期国債利

回り(長期金利)は1.5bp低い1.355%と約6カ月ぶりの水準に低下した。

 しかし、日銀イベントを控えて国内勢の様子見姿勢が強い中、追随した買いが見られ

ず、海外勢から利益確定売りが出ると下げに転じた。「深まる金融不安で株売り/債券買

いの動きが入ったが、前日の米株市場が引けにかけてショートカバーが入ったことから、

海外勢がいったん利益確定売りを出した」(国内金融機関)という。

 さらにクレジット市場の混乱や株安で損失を抱えた金融機関が、利益が出ている国債を

売る動きも加わり、国債先物は85銭安の137円70銭に急落。10年最長期国債利回

り(長期金利)は6.5bp高い1.435%に上昇した。

 下期入りの10月1日以降、国債先物は2円近く上昇、10年債利回りは20bp近く

低下するなど「急激に買われてきた反動で、国債先物などに足の速いファンド勢などから

利益確定売りが出た」(モルガン・スタンレー証券・債券ストラテジスト、伊藤篤氏)と

いい、スピード調整が入った格好。しかし現状の金融危機に対して当局が有効な対策を打

ち出せず、むしろ広がりを見せていることから「再び株価が下値を模索する一方、国債先

物は高値を更新する動きになるのではないか」(国内金融機関)との声も出ている。

 <為替市場、マクロ系ヘッジファンドの投げ目立つ>

 為替市場も方向感なく乱高下。ドル/円JPY=は前日海外市場で100.22円まで下

落したが、一時はフリーフォールの様相を呈した日経平均が下げ渋ったことや大幅下落後

の押し目買いでやや回復した。

 市場では、新規にポジションを作るのではなく、株価の動向をみながら短期筋を中心に

ポジションを投げる動きが為替レートの決定要因となっているとされ、不安定な動きが続

いている。「マクロ系のヘッジファンドなどが株の動きに応じて為替のポジションを投げ

ているのが目立つ」(証券会社)という。

 オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は、きょうの金融政策決定会合で2カ月

連続で利下げを実施した。大半のエコノミストは、50ベーシスポイントの利下げを予想

していたが、RBAが100ベーシスポイントの利下げを実施したことで豪ドルは売り込

まれたが、その後に急速に値を戻し、他のクロス円相場の底上げに貢献した。

 週末の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に向けて、市場では、協調利下げの思

惑が高まっている。

 だが、米国では、米セントルイス地区連銀のブラード総裁が6日、利下げは金融危機に

対応する上で正しい手段ではなく、金融危機に焦点が集中するため、インフレが無視され

ることになるとの認識を示した。

 総裁はロイターとのインタビューで「現在の環境で金利を引き下げることは正しい手段

とは思わない」と述べた。

 総裁は「一つの問題を解決しようとする場合、新たな問題を引き起こし、状況を悪化さ

せたいと思う人はいないだろう。それは70年代に起きたことだ」と述べ、当時インフレ

が加速したことに言及した。

 米短期金利先物市場では、連邦準備理事会(FRB)が今月28─29日に開く連邦公

開市場委員会(FOMC)前に緊急利下げがあると予想されている。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集:佐々木 美和)

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