〔クロスマーケットアイ〕経済悪化を突きつけられる金融市場、海外勢の日本株売り再び

2008年 12月 2日 14:08 JST
 
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<東京市場 2日>

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日経平均   |国債先物12月限| 国債296回債  |ドル/円(14:00) |

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   8011.69円 | 139.70円 | 1.370% | 93.46/50円 |

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-385.53円 | +0.31円 | -0.030% | 93.13/16円  |

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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。

下段は前営業日終値比。為替は前営業日NY終盤。

 [東京 2日 ロイター] 世界的に景気の悪化観測が日増しに強まっている。前週、

落ち着いたかに見えた市場だが、経済指標の悪化を突きつけられ再び揺れている。金融当

局は動きを加速させており、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は金利政策の限

界を認めた上で大量の長期国債の買い入れ方針を示唆し、豪準備銀行(RBA)は予想を

上回る1%の利下げを実施。欧州中央銀行(ECB)も大幅利下げの観測が広がる。ただ、

センチメントの悪化は食い止められず、日本株には海外勢からの売りが再度、拡大してい

る、との声が出ている。

 <3番底の形成を意識>

 株式市場では日経平均.N225が大幅続落となり、下げ幅は一時400円を超えた。米

国株の急落や円高が嫌気され幅広い銘柄に売りが先行した。「1日の米ISM製造業景気

指数が予想以上に悪かったことをきっかけに、世界的な景気悪化への懸念があらためて強

まった。足元は株式を買うインセンティブが見当たらない」(国内投信)という。

 新光証券マーケットアナリストの高橋幸男氏は「日米株ともに、ファンダメンタルズの

悪さに変わりがないなかで前週、戻り歩調となった反動もあり、今週は経済指標の予想以

上の悪さにより敏感に反応している。米国を中心に世界の景気は10月から11月にかけ

ての落ち込みの角度が最も大きく、相場は最悪のファンダメンタルズを通過中だ」とみる。

 そのうえで「日経平均は、11月21日の安値(7406円)をもう一度トライする可

能性があり、3番底の形成となるかどうか注目」と述べる。

 <12月決算にらみバランスシート圧縮>

 名実ともに12月相場入りした前日から海外勢の売りが再度膨らんでいるとの見方が出

ている。2日寄り前の海外勢のバスケット注文は欧州系、米系中心に700億円の売り越

しとなった。銀行、自動車、海運、ハイテクなどへの売りが目立っている。

 東海東京証券マーケットアナリストの鈴木誠一氏は「米商業銀行や欧州金融機関が12

月の決算に向けてバランスシート圧縮の動きを進めている」とみている。鈴木氏によると、

欧米金融機関は保有する資産価格の下落が止まらず、自己資本の毀損(きそん)が続いて

いる。「公的資金の注入が追い付かない状況であり、BIS規制等に対応するため、流動

性の高い日本株などが処分売りの対象になっている。クリスマス休暇前の12月第3週ま

では需給悪が続きそうだ」と同氏は指摘している。

 一方、三菱UFJ投信、戦略運用部副部長の宮崎高志氏は「経済指標が悪化しているか

ら株価が下落しているというよりも、ヘッジファンドなど海外勢の換金売りが再び出てい

るという需給面が大きい。これまでレバレッジを大きく効かせていたファンド勢の巻き戻

しが止まっていないことを示している」という。

 <買い材料に敏感な円債、10年債入札は順調>

 円債市場は堅調。バーナンキFRB議長が長期債の買い取りの可能性に言及したことな

どで米債高が進み、日銀の政策についても利下げの可能性が出てきたとして買いが先行。

日経平均株価の急落や、企業の大幅な業績悪化を裏付ける内容となったロイター短観もサ

ポート要因となった。

 外資系証券筋は「米経済のリセッション入りが明確になり、バーナンキ議長の発言によ

り長期債券の買い入れという異例の対策実施の可能性が出てきた。米国の景気悪化と金融

システムのもろさが一段と深刻化していることに加え、ロイター短観で示されたように日

本も企業業績はかなり悪い。債券市場としては、外部環境は完全にポジティブ要因のみと

いえる」という。

 安田投信投資顧問、運用本部長の小泉治氏は「バーナンキ議長の発言の背景には、政策

金利を引き下げても国債大量発行で長期金利が高止まりし、住宅ローン金利が下がらない

という事態を嫌った可能性がある。あらゆる手段を活用して流動性を供給する姿勢を示し

たかったのだろう」という。そのうえで、円債市場への影響について「今後、日銀利下げ

の可能性さえ意識されるだけに、長期金利にジワジワと低下圧力がかかりやすい。10年

債利回りは年内1.3%、年明けには1.3%割れの水準まで低下する」とみる。

 地合いが強い中で行われた10年債の入札は順調だった。最低落札価格は100円10

銭と、事前予想の100円07銭─100円10銭程度とほぼ同水準だった。

 日興シティグループ証券・チーフストラテジストの佐野一彦氏は「表面利率が1.4%

と前月債から引き下げられたが、償還が3カ月延びて新規発行となったことで目新しさが

あった。また、内外で株安/債券高が進展し、景気後退観測が高まっている。セカンダリ

ーの流動性が低下する中、投資家がまとまった額を確保するには新発しかなく、入札を支

えた」と話す。

 モルガン・スタンレー証券・債券ストラテジスト、伊藤篤氏は「前場に買いが入り金利

が低下した割にはしっかりと言ってもいい。参加者のリスク許容度が大きく改善したとい

うよりは、カーブ上の割安感が好感された」という。

 

 <ドル/円、90円を視野か>

 為替市場でも、株価の動きに神経質になっている。ドル/円JPY=は、米株の大幅安を

受けて前日海外市場では一時93.04円を付け。その後も軟調見合いは続き、本邦輸出

企業による売りが強まった局面では92.80円台に下落した。92円台は10月28日

以来、1カ月超ぶり。

 国内金融機関の関係者は「米株が下げ止まらないと、年初来安値(90.87円)が視

野に入ってくる」と述べた。また、邦銀関係者は「95円台にとどまっていたころから、

ドルは下値でオーダーが入っていなかった」という。

 大手証券筋も、大きな流れとしては円買い基調とし、年内は85―87円の水準に下落

するとみる。ただ、急激な円高で90円を割り込むようなことになれば、日本の当局が口

先介入など何らかの手立てを講じるとの見方を示す。

 ユーロ/円EURJPY=は、朝方の取引で一時117.23円に下げた。4日の理事会で

ECBが大幅な利下げをする、との見方が出ている。ロイター調査によると、エコノミス

ト81人中24人が0.75%─1%の利下げを予想している。ユーロ翌日物無担保金利

加重平均(EONIA)先物は0.75%の利下げをほぼ完全に織り込んでいる。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集:吉瀬邦彦)

 

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