〔クロスマーケットアイ〕米ビッグスリー救済策で悲観論やや後退、投資家のリスク回避は続く

2008年 12月 3日 13:47 JST
 
記事を印刷する |

<東京市場 3日>

━━━━━━━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━━━┯━━━━━━━━━┯

日経平均   |国債先物12月限| 国債297回債  |ドル/円(13:30) |

━━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━┿

   7940.98円 | 139.77円 | 1.375% | 93.30/35円 |

━━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━┿

+77.29円 | +0.06円 | +0.005% | 93.27/30円  |

━━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━━━┷━━━━━━━━━┷

注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。

下段は前営業日終値比。為替は前営業日NY終盤。

 [東京 3日 ロイター] 注目されたゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)など米自

動車ビッグスリーの再建計画に関連してペロシ米下院議長が自動車メーカーの破たんは選

択肢にないと表明、悲観論はやや影を潜め、3日の東京市場では、株式・ドルともにしっ

かりの展開。ただ、市場参加者は、議会公聴会とその後の議論を見守りたい、として破た

ん回避を確信するには至っておらず、投資家のリスク回避姿勢は続いている。

 <海外勢の換金売り絶えず、救済策はこの一週間が山場>

 株式市場では日経平均.N225が反発しているものの、世界的な景気悪化や円高に対す

る警戒感が根強く戻りは鈍い。

 米自動車大手3社は2日、米議会に金融支援を含む再建計画を提出したが、救済策の行

方が不透明なことから慎重な見方が聞かれる。「海外勢による現金化の動きが続き上値を

圧迫している。米国の金融機関や自動車大手のリストラが加速すれば、雇用など実体経済

の悪化に結びつくだけに警戒感は強い」(東海東京証券エクイティ部長の倉持宏朗氏)と

の声が出ている。

 米下院のペロシ議長は2日、米自動車ビッグスリーが提出した事業計画について記者会

見し、自動車メーカーの破たんは選択肢にないとの見解を示した。さらに、自動車業界の

救済に向け議会、米政府による介入が行われる、との考えを示した。

 みずほ証券、チーフクレジットアナリストの香月康伸氏は「公聴会やその後の審議にも

不透明感があることに加え、再建にあたりステークホルダー(利害関係者)の負担が強い

られる可能性が高く、救済法案が市場の安心感に直結するとは考えにくい。とくに、G

M、GMACに関しては、デット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)だけでなく、

債券交換やリストラクチャリングの可能性が今後の注目点」という。米議会に救済策が受

け入れられるか、この一週間が山場、とみている。

 ドル/円が一時92円台の円高に振れたことも市場関係者を神経質にしている。全般相

場が堅調にもかかわらず、トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)、ホンダ(7267.T: 株価, ニュース, レポート)などの自動車大手が年

初来安値を更新している。国内企業の2008年度経常利益は25%前後の減益が見込ま

れているが、「米国の需要減速が長期化し、円高が進行すれば09年度も2ケタ減益が視

野に入る」(大手証券系調査機関)との指摘もある。

 一方、東洋証券ディーリング部、シニア・ストラテジストの児玉克彦氏は「米ビッグス

リー救済の行方はまだ確定的ではなく、関連ニュースに市場は一喜一憂するのではない

か。11月の米国経済指標が悪いのはほぼ確実で、ドル安/円高に振れやすい地合いであ

ることも国内株にとってはマイナスだ。ただ、需給面では、下値では公的年金などの押し

目買いが期待できることから、大きな売り仕掛けもしづらい」として、当面、狭いレンジ

内での動きを見込んでいる。

 <円債市場は利益確定が優勢>

 円債市場は方向感なく小動き。前日の米債高を受けて買いが先行したが、その後、株価

がプラス圏で推移する中、前日までの金利低下ペースが速かったこともあり、いったん利

益を確定する動きが出て伸び悩んだ。

 市場では米ビッグスリーについては連邦破産法11条適用の可能性も懸念されていた

が、ペロシ議長の発言を受けて、最悪のシナリオが回避されるとの見方が強まった。

 ある国内証券の債券ストラテジストは「オバマ次期米大統領もビッグスリーの救済に前

向きな姿勢を示していたため、再建計画の内容は決して驚きではない。きょうの段階でマ

ーケットに影響を与えることもないのではないか。週末にかけて議会で行われる公聴会の

内容を見極めたい」と指摘する。

 ただ、ビッグスリーの再建は紆余曲折が予想されるとの見方も少なくない。11月の米

国内自動車販売台数は、GMが前年比41.3%減、フォード(F.N: 株価, 企業情報, レポート)が同29.8%減、

クライスラーが同47.1%と大きく落ち込んでいる。自動車販売に下げ止まりが見えな

い中で「さらに融資が必要になるのではないか」(同)との声もある。

 このほか、来年度予算編成にからんだ政治の動きも話題になった。

 朝日新聞は3日付朝刊で、政府内に概算要求基準(シーリング)とは別枠に、雇用対策

などのために今後3年間で計10兆円の予算特別枠を設ける案が浮上していると報道し

た。バークレイズ・キャピタル証券、チーフストラテジストの森田長太郎氏は「麻生内閣

の支持率急落の報道が相次いでいることもあり、与党サイドから政府に対する歳出拡大圧

力が急速に強まっている。少なくとも予算ベースでの国債増発額に関しては、想定されて

いた範囲より上振れする可能性が出てきており、結果的にカレンダーベースでの国債増発

額にも一定のインパクトを及ぼしてくることも考えられる」と指摘している。

 <継続的なドル上昇見込みにくく>

 為替市場ではドル/円はしっかり。何度か93円を割り込む局面もあったが、下値では

輸入企業の買いで支えられ、93.65円まで付けた。「(93円から下値は)比較的底

堅い」(資本筋)との声も出ていた。

 米ビッグスリー救済に関しては「まだ決まったわけではなく、不透明感が残る」(国内

金融機関)という。

 ある証券筋は「支援策が議会で承認されたとしても、積極的に株が買われ、ドルが上昇

する展開は想定しにくい」とし、ショートカバーにとどまるとの見方を示している。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集:佐々木美和)

 

(hiroshi.hashimoto@thomsonreuters.com:03-6441-1790 ロイターメッセージング

:hiroshi.hashimoto.reuters.com@reuters.net)

 
 

株価検索

会社名銘柄コード
 
写真

2大政党制になったにもかかわらず「与党がだめなら野党に」という仕組みになっていない。それでも野党・自民党の復活を願う声はあるはずである。  ブログ 

ファクトボックス

GM.N
現値:
前日比:
Up/Down:
 
  • 日本日本
  • アジア
  • 米国米国
  • 欧州
  • 東証1部 値上り率