〔クロスマーケットアイ〕米ビッグスリー救済策で悲観論やや後退、投資家のリスク回避は続く
<東京市場 3日>
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日経平均 |国債先物12月限| 国債297回債 |ドル/円(13:30) |
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7940.98円 | 139.77円 | 1.375% | 93.30/35円 |
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+77.29円 | +0.06円 | +0.005% | 93.27/30円 |
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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。
下段は前営業日終値比。為替は前営業日NY終盤。
[東京 3日 ロイター] 注目されたゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)など米自
動車ビッグスリーの再建計画に関連してペロシ米下院議長が自動車メーカーの破たんは選
択肢にないと表明、悲観論はやや影を潜め、3日の東京市場では、株式・ドルともにしっ
かりの展開。ただ、市場参加者は、議会公聴会とその後の議論を見守りたい、として破た
ん回避を確信するには至っておらず、投資家のリスク回避姿勢は続いている。
<海外勢の換金売り絶えず、救済策はこの一週間が山場>
株式市場では日経平均.N225が反発しているものの、世界的な景気悪化や円高に対す
る警戒感が根強く戻りは鈍い。
米自動車大手3社は2日、米議会に金融支援を含む再建計画を提出したが、救済策の行
方が不透明なことから慎重な見方が聞かれる。「海外勢による現金化の動きが続き上値を
圧迫している。米国の金融機関や自動車大手のリストラが加速すれば、雇用など実体経済
の悪化に結びつくだけに警戒感は強い」(東海東京証券エクイティ部長の倉持宏朗氏)と
の声が出ている。
米下院のペロシ議長は2日、米自動車ビッグスリーが提出した事業計画について記者会
見し、自動車メーカーの破たんは選択肢にないとの見解を示した。さらに、自動車業界の
救済に向け議会、米政府による介入が行われる、との考えを示した。
みずほ証券、チーフクレジットアナリストの香月康伸氏は「公聴会やその後の審議にも
不透明感があることに加え、再建にあたりステークホルダー(利害関係者)の負担が強い
られる可能性が高く、救済法案が市場の安心感に直結するとは考えにくい。とくに、G
M、GMACに関しては、デット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)だけでなく、
債券交換やリストラクチャリングの可能性が今後の注目点」という。米議会に救済策が受
け入れられるか、この一週間が山場、とみている。
ドル/円が一時92円台の円高に振れたことも市場関係者を神経質にしている。全般相
場が堅調にもかかわらず、トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)、ホンダ(7267.T: 株価, ニュース, レポート)などの自動車大手が年
初来安値を更新している。国内企業の2008年度経常利益は25%前後の減益が見込ま
れているが、「米国の需要減速が長期化し、円高が進行すれば09年度も2ケタ減益が視
野に入る」(大手証券系調査機関)との指摘もある。
一方、東洋証券ディーリング部、シニア・ストラテジストの児玉克彦氏は「米ビッグス
リー救済の行方はまだ確定的ではなく、関連ニュースに市場は一喜一憂するのではない
か。11月の米国経済指標が悪いのはほぼ確実で、ドル安/円高に振れやすい地合いであ
ることも国内株にとってはマイナスだ。ただ、需給面では、下値では公的年金などの押し
目買いが期待できることから、大きな売り仕掛けもしづらい」として、当面、狭いレンジ
内での動きを見込んでいる。
<円債市場は利益確定が優勢>
円債市場は方向感なく小動き。前日の米債高を受けて買いが先行したが、その後、株価
がプラス圏で推移する中、前日までの金利低下ペースが速かったこともあり、いったん利
益を確定する動きが出て伸び悩んだ。
市場では米ビッグスリーについては連邦破産法11条適用の可能性も懸念されていた
が、ペロシ議長の発言を受けて、最悪のシナリオが回避されるとの見方が強まった。
ある国内証券の債券ストラテジストは「オバマ次期米大統領もビッグスリーの救済に前
向きな姿勢を示していたため、再建計画の内容は決して驚きではない。きょうの段階でマ
ーケットに影響を与えることもないのではないか。週末にかけて議会で行われる公聴会の
内容を見極めたい」と指摘する。
ただ、ビッグスリーの再建は紆余曲折が予想されるとの見方も少なくない。11月の米
国内自動車販売台数は、GMが前年比41.3%減、フォード(F.N: 株価, 企業情報, レポート)が同29.8%減、
クライスラーが同47.1%と大きく落ち込んでいる。自動車販売に下げ止まりが見えな
い中で「さらに融資が必要になるのではないか」(同)との声もある。
このほか、来年度予算編成にからんだ政治の動きも話題になった。
朝日新聞は3日付朝刊で、政府内に概算要求基準(シーリング)とは別枠に、雇用対策
などのために今後3年間で計10兆円の予算特別枠を設ける案が浮上していると報道し
た。バークレイズ・キャピタル証券、チーフストラテジストの森田長太郎氏は「麻生内閣
の支持率急落の報道が相次いでいることもあり、与党サイドから政府に対する歳出拡大圧
力が急速に強まっている。少なくとも予算ベースでの国債増発額に関しては、想定されて
いた範囲より上振れする可能性が出てきており、結果的にカレンダーベースでの国債増発
額にも一定のインパクトを及ぼしてくることも考えられる」と指摘している。
<継続的なドル上昇見込みにくく>
為替市場ではドル/円はしっかり。何度か93円を割り込む局面もあったが、下値では
輸入企業の買いで支えられ、93.65円まで付けた。「(93円から下値は)比較的底
堅い」(資本筋)との声も出ていた。
米ビッグスリー救済に関しては「まだ決まったわけではなく、不透明感が残る」(国内
金融機関)という。
ある証券筋は「支援策が議会で承認されたとしても、積極的に株が買われ、ドルが上昇
する展開は想定しにくい」とし、ショートカバーにとどまるとの見方を示している。
(ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集:佐々木美和)
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