G7こうみる:IMF活用の影に米債売りリスク、ドルは96―98円付近か=三菱東京UFJ銀 高島氏
<三菱東京UFJ銀行 金融市場部チーフアナリスト 高島修氏>
声明で国際通貨基金(IMF)について、資金拠出など具体的で明確な言及があったことに関心を持った。ロンドン金融サミットの流れを引き継いでセーフティネットが拡充されるというポジティブな面に着目すれば、新興国通貨・株の買い戻しが進む可能性があり、世界的にも株価が上がりやすくなる。景況感の改善は長期金利の上昇圧力につながり、現在の為替相場にとっては、どちらかといえば円安要因となる。
ただ、IMFへ拠出する各国資金の財源が問題だ。日本は外貨準備での拠出を決めており、ユーロ圏もその方向にあると見られている。実際に新興国などで危機が発生し、IMFへの資金拠出が行われる段階になったら、外貨準備で保有されていた米国債が売られるリスクに、市場の目が向き始める可能性がある。その際の金利上昇はドル安リスクをはらむ。動向をよく見ておく必要がある。
声明文が「経済活動が本年内に回復を開始する」とした点は、各国中銀筋のメーンシナリオともいえ、まったく違和感はない。これだけ財政出動が相次げば、回復しない訳がない。この1週間、アジアで発表された経済指標は強含みだし、年後半の中国の成長率は年率換算で10%に達する可能性もある。為替の実効レートはやや円高ドル安が進んでいるが、為替部分の手直しも特段なく、当局者の間に過度の円高やドル安という認識はなかった。
G7が相場に影響を与える可能性はほとんどない。当面ドルは96―98円付近で高値持ち合いが続くだろう。
(東京 25日 ロイター)
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