〔クロスマーケットアイ〕株は景気回復織り込む流れ続く、円債市場は流動性低下
<東京市場 15日>
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日経平均 |国債先物6月限 | 国債300回債 |ドル/円(12:45) |
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9244.97円 | 136.86円 | 1.435% | 95.99/04円 |
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+151.24円 | -0.08円 | +0.010% | 95.92/93円 |
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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。
下段は前営業日終値比。為替はNY終盤。
[東京 15日 ロイター] 週末15日の東京市場は、株価が堅調に推移し、景気回
復を評価する流れが継続している。ただ、円債市場では、海外勢の手控えが目立つなど市
場全体の流動性は低下する傾向を見せ、相場は次のテーマを探す状況に陥っている。
<米株高・機械受注などに反応>
15日の株式市場では、前日に米株が反発し、3月機械受注統計も予想より強く、上海
総合株価指数.SSECが底堅いなどの買い材料がそろい、日経平均.N225は寄り付きから
堅調な値動きが続いた。市場関係者によると、機関投資家による買い戻しが中心で905
0円付近から押し目買いが活発化した。「ネガティブサプライズ感もあったソニー
(6758.T: 株価, ニュース, レポート)が買い優勢となったこともマーケット参加者に安心感を与えた。主力株に実需筋
とみられる押し目買いが活発化している」(準大手証券トレーダー)という。
増資計画が報道され、株価の動向が注目されたみずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)
株に対し、希薄化懸念から米系ファンド勢が大きく売っているとの声が出ていた。ただ、
別の海外勢から買い戻しも入っているとみられ、一部で指摘されていた大幅な株価下落に
はなっていない。
株価の動向について、みずほインベスターズ証券・エクイティ情報部部長の石川照久氏
は「相場は景気回復を評価する流れとなっており、押したら買いが入る状況。ただ、今日
は週末なので後半動きが鈍る可能性もある」と述べていた。
また、インベストラスト代表取締役の福永博之氏は、リスク許容度の高まりを背景にし
た海外投資家の買いが続いていると指摘する。このため株価の上昇基調は崩れていないと
し「4月以降売りに傾いていた国内機関投資家が、企業決算発表の一巡とともに新年度の
買いを入れれば、もう一段上値を試す可能性はある」と予想する。
同時に福永氏は、企業が示す下期回復のシナリオには不透明感が強く、ポートフォリオ
への積極的な株式組み入れは期待薄で6月以降は4─6月期の収益状況を見極めようとい
う動きが強まると予想する。その上で「対ドルで95円は多くの輸出企業の想定為替レー
ト水準だ。為替の動向も大きなポイントで、売り上げが伸びず円高が進むようであれば輸
出企業を中心に業績はジリ貧にならざるを得ない」と慎重な見方を示す。
<次のテーマ探すマーケット>
また、前日大幅に下落した反動の割りには、株価上昇の勢いが弱いとの指摘もある。み
ずほ証券・投資情報部マーケットアナリストの高橋幸男氏は「反発のエネルギーは小さい
という印象だ。来週以降の市場の材料は、決算からマクロ経済指標、財政赤字問題、為替
動向に移っていく」とみている。
高橋氏は、わが国の1─3月期国内総生産(GDP)は2ケタのマイナス予想となって
いるが、市場は織り込み済みで、生産などのプラス転換予想もあり、4─6月の回復期待
を織り込んでいる過程としている。その上で「景気ウォッチャーなどセンチメント系の指
標は改善傾向が鮮明だが、これが生産や消費など実体経済指標にまで波及するかどうかを
見極める段階に入っている」との見解を示す。
みずほ総研・シニアエコノミストの武内浩二氏は「3月機械受注で設備投資の先行指標
である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、予想よりも強かった。とはい
え、先行きもマイナス予想で、生産は下げ止まっているかもしれないが、設備投資の抑制
基調が示された。消費に関しては政府の経済対策による効果も期待できるが、企業は依然
として厳しい状況との認識だ」と、先行きに警戒感を示した。
<海外勢の手控えで閑散な円債市場>
一方、円債市場では、これまで相場の上下動を主導した海外勢がなりを潜め、国債先物
は小動きに終始した。中心限月6月限の取引量は6000億円余りにとどまった。
ドイツ証券・チーフ金利ストラテジストの山下周氏は「高値を買う投資家がいないため
5年債利回り0.8%、10年債利回り1.4%では戻り売りが出やすい。しかし、相
場が下がれば期初の買いがみられ、下にもいきにくいことが方向感を乏しくしている」と
指摘した。
外部環境の気迷いも一因だと同氏は指摘する。「9000円前後で推移する日経平均株
価が8000円台に逆戻りするのか、あるいは1万円を目指すのかはっきりしない。為替
についても1ドル=95円がいったん壁になっており、先が見通しづらい」という。
市場には「海外勢のドタバタ劇がひとまず止んだため、相場全体の動きが緩慢になった
」(外資系金融機関)との見方も出ていた。
景況感をめぐっては、日銀が景気判断を現状の「大幅に悪化している」から上方修正す
る検討に入ったと一部で報道された。ドイツ証券の山下氏は「景気判断の基準として日銀
は、生産を重視しているとみられ、3月以降、3カ月連続で増加見通しとなっていること
を考えれば、上方修正は自然だ」と指摘する。
ただ、同氏は「通常なら景気判断の上方修正は利上げ観測の出発点となるが、今回はこ
れまでの景気悪化による水準低下が大きすぎるため、利上げ観測に結びつかない。GDP
ギャップの拡大が極めて大きく、日銀自体が2010年度のCPIをマイナス1.0%と
見通すなか、利上げなど視野に入らない。円債への悪影響は小さいだろう」とみている。
<ドル/円は2カ月ぶり安値から反発>
為替市場では5日ぶりにドル/円JPY=が反発。海外序盤の取引では、欧州株安などを
背景に一時95.10円まで下落して2カ月ぶり安値を更新したが、その後は欧州株の切
り返しや米株上昇などを手掛かりに、日本時間早朝にかけて96円台へ円が売り戻され
た。
最近の値動きをけん引しているのは、参加者のポジション事情だ。5月前半は株価上昇
などを受けて広がった楽観論が手掛かりとなって、ドルは100円に迫る反発を見せたが
「レンジを抜けるほどの手掛かりもパワーもない」(外銀)中、その後は「楽観相場(の
円売り)でポジションが一時的に傾いて(円を買い戻すという)調整が入った」(都銀)
という。
その結果、ドルは連休明けの99円台から前日までに4円近く調整。市場関係者のポジ
ションが「だいぶニュートラルに近づいてきた」(同)ことが、前日から緩やかな上昇に
転じた一因となったという。
しかし、市場関係者はレンジ取引に安閑としているわけではない。ある大手銀のチーフ
ディーラーは「ストレステスト(健全性審査)後に相次ぐ米大手行の増資、邦銀でも増資
だという話になれば、需給面からも底入れの続いてきた株価動向が怪しくなる。センチメ
ント系以外の米指標の改善がこのまま進まなければ、悲観相場に再び傾く可能性は否定で
きない」として、もみあうドル/円を眺めながら警戒感を強めている。
(ロイター日本語ニュース 田巻 一彦;編集 宮崎 大)
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