WRAPUP1: エネルギー価格急騰によるインフレを警戒=バーナンキ米FRB議長

2008年 06月 10日 12:49 JST
 
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 [ハーウィック(米マサチューセッツ州) 9日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は9日、エネルギー価格急騰を警戒する姿勢を示した上で、FRBはインフレ心理が定着するような傾向には「強く抵抗する」と述べた。

また、先週発表された5月の雇用統計で失業率が5.5%に急上昇したが、米経済が大幅な下降局面に入るリスクは回避した可能性があるとの認識を示した。

 マサチューセッツ州チャタムで行われたボストン地区連銀主催の会合向けの演説原稿で述べた。

 議長の発言は、現在FRBの優先事項が金融市場での問題からインフレ問題に移っていることを示唆しており、FRBに追加利下げに踏み切る意思がほとんどないことを示している。

 米国内ではガソリン平均小売価格がつい最近、初めてガロン4ドルの大台を突破した。

 議長は「最近のエネルギー価格上昇がインフレとインフレ期待の上振れリスクを高めた」と指摘。「連邦公開市場委員会(FOMC)は、長期的なインフレ期待による浸食に強く抵抗する。これらの期待を抑制しなければ、成長とインフレが不安定化する」と述べた。

 議長の発言を受けてドルは対円で3カ月ぶりの高値に急伸、米国債は急落した。

 

 <タカ派寄りに傾斜>

 

 議長のインフレ警戒発言はわずか1週間の間に今回が3度目であり、ダラス地区連銀のフィッシャー総裁やフィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁を筆頭とするFOMC内のインフレ警戒派に傾斜したかのような印象は否めない。

 フィッシャー総裁は9日、CNBCとのインタビューで、ドル安がインフレ進行と成長減速という負の連鎖をもたらす可能性があると述べた。

 ただ、物価上昇に対するタカ派的発言が実際に利上げという行動に結び付くかに関しては、これまで懐疑的な見方も強かった。

 金利先物は10月利上げ見通しを相場に織り込み始めたが、住宅ローン投資に絡む金融機関の動揺が続く中、一部のアナリストはドルとインフレに関するFRBの警告に実際の効力があるかどうかを疑問視している。

 <成長への楽観強める>

 バーナンキ議長は国内経済については「今四半期の活動は鈍化する見通しだが、景気が大幅な下降局面に入るリスクは過去1カ月で低下したようだ」と述べた。

 ただ、「住宅市場の縮小とエネルギー価格の上昇が続いているため、成長に関するリスクは依然下向きだ」と指摘した。

 議長は、商品価格高を映しインフレは依然高いと指摘。同時に原材料価格高はまだ製品コストや賃金には転嫁されていないとの見解を示した。ただ、その状態が続く保証はないとして、「これについて今後の動向を注視する」と述べた。

 また、フェデラルファンド(FF)金利の引き下げ、政府の景気対策、金融市場の回復の兆しなどにより、米国経済が直面している逆風は「やや相殺される」と指摘した。

 FRBは金融市場の回復を促進する措置を継続する方針で、議長は「われわれは金融の安定を促進する一連の措置を実施してきた。引き続きその目的に強くコミットしている」と述べた。

 

 <先物市場の価格予測能力を疑問視>

 

 議長は商品価格の方向性を占うツールとしての先物市場とは距離を置く姿勢を示し、「先物市場は近年しばしば商品価格の上昇を過小に予測し、結果としてインフレ率全体についても過小に予想してきた」と指摘。「価格予測に関する商品先物市場の芳しくない最近の実績は、政策担当者が引き続き同市場を情報源として利用すべきかどうかに疑問を投げ掛ける」と述べた。

 

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