〔情報BOX〕8―10日の主要国首脳会議で想定される議題
[2日 ロイター] 今月8─10日イタリアで主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)が開催される。会議2日目の9日には主要8カ国(G8)に加え、中国、ブラジル、インド、メキシコ、南アフリカの5カ国(G5)、およびエジプトが討議に参加。議題は世界経済の現状、金融規制、温暖化対策、貿易、開発など多岐に及ぶ。
以下はラクイラ・サミットで討議されるとみられる主な議題の概要。
<金融危機>
G8首脳会合は金融危機に関する問題から討議を開始。1日目の会議の終わりに発表される予定の声明文は、主要国の経済に安定化の兆しがみえ始めていることに言及し、世界経済の先行きに前向きなメッセージを送る内容となる見通し。
また、各国が導入している景気対策の出口戦略についても討議されるもよう。ただG8各国は、景気刺激策を終了させるのは現時点では時期尚早との認識を示すもよう。
議長国のイタリアは、金融規制の「世界標準」の採択で合意するよう求めている。イタリアは、6月にレッチェで開かれたG8財務相会合での討議内容をまとめた「レッチェ・フレームワーク」と呼ばれる報告書の内容での合意を目指している。70ぺージにおよぶ同報告書は、金融市場規制から、金融機関の幹部報酬、コーポレート・ガバナンス、銀行、税制、貿易、汚職対策まで多岐におよぶ項目を網羅。既存のガイドラインを1つにまとめただけで、罰則規定が含まれていないために、この内容で合意されても効果は上がらないとの批判も出ている。
今回のG8サミットでは、9月に米国のピッツバーグで開催される20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)に向けた提言が採択される可能性がある。
ドイツはより厳格な金融規制の導入を主張。規制の厳格化に消極姿勢を示している英国を非難している。
<準備通貨>
中国は、G5各国が参加する2日目の討議で、国際的な準備通貨としての米ドルについて議題に取り上げるよう要請したとされる。ただ他の参加国からは賛同を得られていないもよう。
中国は米国債の最大の保有国で、外貨準備の約70%は米ドル建てとされる。同国はこれまでに、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)を新たな国際的な準備通貨とするよう提言してきた。
中国の何亜非外務次官は、国際通貨システムの多様化についてラクイラ・サミットで取り上げられるのは当然のことだと述べている。
ただ、G8各国および新興国の高官によると、今回の会議で採択される予定の公式文書では、米ドルや国際的な準備通貨に関する直接の言及はないもよう。
<環境>
今年12月にコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)締約国会合では、2012年に期限を迎える「京都議定書」に続く新たな国際的な温暖化ガス削減目標の合意を目指している。ラクイラ・サミットでは、削減目標をめぐり先進国と途上国との意見のすり合わせ作業に加え、環境に優しい技術の導入にかかる費用の負担などについて議論される見通し。
G8各国は、気候変動による世界の気温上昇幅を摂氏2度以内におさめる目標の設定で合意する見通し。この件について、2日目の9日に開かれる温暖化対策のための主要経済国フォーラム首脳会合(MEF)で引き続き討議される可能性がある。MEFにはG8に加え、中国、インド、ブラジル、南アフリカなどの途上国を含む全16カ国と欧州連合(EU)が参加。
G8は、世界の温暖化ガス排出量を2050年までに半減するとの構想を再確認する見通しで、MEF会合でも合意されれば、12月のUNFCCC会合での新たな削減目標合意に向け大きな弾みとなる。
英国のブラウン首相は、G8諸国とMEF参加国に対し、途上国における温暖化対策の支援に毎年1000億ドルを拠出するプログラムに合意するよう働きかけている。
<途上国支援、食料問題>
G8は、途上国に対する支援を拡充する圧力にさらされているため、支援の拡充を検証するタスクフォースの設立を検討する。
米国のオバマ大統領は、向こう3年間で30億─40億ドルを食料支援に拠出する意向を表明。関係者によると、他のG8各国、およびG5各国は、少なくとも同水準の支援を検討しているもよう。
G8はまた、各国が確約した支援を着実に行っているかを検証するルールを策定する見込み。また、中国のように支援国でもある新興国に対し、支援の透明性確保を働きかける。
<イラン問題>
議長国イタリアのベルルスコーニ首相は、G8首脳会議で対イラン制裁の強化で合意するべきと主張。ただ他のG8メンバーは、G8はそのような決定をするには適切な会合ではないとの立場を示している。さらに、何らかの制裁で合意したとしても、外交官の召還など限られた措置にとどまるとしている。
<貿易>
難航している世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)を合意に向けて進展させるよう努力する見通し。2010年までに合意にこぎつけられるよう期待を示す可能性がある。WTOのラミー事務局長が会合に出席。各国首脳と会談する予定。
<原油価格>
フランスのサルコジ大統領は、G8首脳会議で原油価格について取り上げるよう要請。ここ数年みられたような価格の乱高下を防止し、産油国、消費国の双方にとり適正な水準に保つよう、原油価格を規制することについて検討するよう求めている。
原油価格CLc1は昨夏に1バレル=150ドル近くまで上昇。その数カ月後には1バレル=40ドル以下の水準まで急落した。現在は1バレル=70ドル近辺で推移している。
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