公的年金の予想運用利回りを名目4.1%に引き上げ=厚労省
[東京 23日 ロイター] 厚生労働省は、5年ごとに行う公的年金の「財政検証」で、長期の予想運用利回りを現行の名目3.2%から4.1%に引き上げた。
厚労省は、今後100年程度の国民年金と厚生年金の財政状況を検証する「財政検証」を5年に1度実施することになっている。同省が23日に公表した2009年財政検証結果によると、前提とする物価上昇率は前回の04年と変わらずの1.0%としたが、名目賃金上昇率は前回の2.1%から2.5%に、名目運用利回りは3.2%から4.1%に引き上げた。「日本経済の潜在的な成長力の高さ」(厚労省年金局数理課)などが引き上げの理由。
同省によると、今回の経済前提は、社会保障審議会年金部会の経済前提専門委員会が昨年11月にまとめた経済前提に関する検討結果と、内閣府が今年1月に公表した「経済財政の中長期方針と10年展望比較試算」を基に設定。過去の実績を基礎としつつ、日本経済の成長力や労働力人口の見通しなどを踏まえ、長期間の平均的な経済前提の範囲を推計したという。
今回算定された名目運用利回りは、物価上昇率の1.0%に将来の実質長期金利2.7%と分散投資効果0.4%を足したもの。実質長期金利は前回の2.0%から、分散投資効果は0.2%からそれぞれ引き上げられた。同省によると、利回りの算定に当たっては、長期金利上昇に伴う国内債券のキャピタルロスの影響や、08年12月末時点での株価状況なども織り込んでいるという。
また、今回の検証は、基礎年金の国庫負担割合が現行の3分の1強から2分の1に引き上げられることを前提としている。
年金積立金の市場運用を行う年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、新たな運用利回りを踏まえ、2010年以降の次期基本ポートフォリオを策定する見通し。
GPIFは06年度まで4年連続で運用損益がプラスだったが、07年度は市場運用利回りがマイナス6.41%となり、5年ぶりのマイナスに落ち込んだ。08年度も4─9月期ではマイナス3.13%で、10─12月期の株安や円高の影響を考慮すると、2年連続のマイナス運用になる可能性が大きい。
(ロイター日本語ニュース 大林優香記者)
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