UPDATE2: ファンドの投資環境は厳しい、日本で大規模なバイアウト成功の可能性は少ない=カーライル

2008年 03月 19日 22:35 JST
 
記事を印刷する |
check

*2段落目以降にコメントを加筆し、再構成しました。

 [東京 19日 ロイター] 米プライベートエクイティのカーライル・グループ[CYL.UL]の安達保・日本共同代表は19日、都内で講演し、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に端を発する信用収縮でプライベートエクイティ・ファンドが投資をする環境は非常に厳しいと述べた。

 安達氏によると、一連の信用収縮の影響や業績の大幅な落ち込みを背景に、米国の金融機関は、バイアウト案件につける貸出を「ほとんどストップしている」という。米国では証券大手のベアー・スターンズBSC.Nが経営難に陥り、米銀大手JPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)に救済買収されることで合意するなど、金融機関の経営やマーケットの流動性に対する懸念が絶えない。

 安達氏は、こうした状況を背景に「金融機関は正常であるとはっきり確認されるまで、海外ではデットがつかない状況が続くだろう」との見方を示した。

 一方、日本の銀行への信用収縮の影響は米国の金融機関と比較すると少ないため、「ある程度のデットの調達はできるが、額としては減り、相当限界にきている」と述べた。たとえば、会社全体の価値(株主価値とデットの合計)が千数百億円、エクイティ部分の投資が700億─800億円の投資案件に、みずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T: 株価, ニュース, レポート)、三井住友フィナンシャルグループ(8316.T: 株価, ニュース, レポート)の3メガがデットをつけるのが「ギリギリの線ではないかと思う」というほど、ローンが調達しにくいという。

 安達氏によると、デットの規模として出せる金額は1行あたり「私の感覚からいうと300億円くらいしかないのではないか」と指摘。このため、「日本で今年から来年にかけて、大きなバイアウトが成功する可能性は非常に少ないとみている。環境的には厳しい状況にきている」と語った。

 今年1─2月ごろカーライルのトップが来日し安達氏と話した際は、サブプライムなど一連の問題の「まだ2割しか顕在化していない、これはもっと悪くなると(トップは)話していた」と述べ、信用収縮の問題がマーケットや金融機関に与える影響が根が深いことを強調した。

 カーライルは2000年に日本に進出し、これまで9社に投資した。東芝セラミックスやウィルコムはその一部。

 日本では大手行の不良債権処理が収束し、大手企業の非中核(ノンコア)事業の売却も「一服感があって案件が少ない」(安達氏)というなか、ここ2─3年でKKR[KKR.UL]やベインキャピタル、ペルミラ[PERM.UL]などが日本に進出。安達氏は「案件もそんなになく競争が激しい。案件に沢山のファンドが群がり、価格が上がる現象が昨年後半くらいからの状況だった」と振り返った。

 2008年に入ってからの違いは「必ずしもデットをきちんと調達できるファンドが多くなくなってきている」ことだと指摘。海外の金融機関が本国の業績悪化で、日本での案件のファイナンスに慎重になっていることもあり、ファンドが調達する際は「邦銀との間で話ができるところという状況になりつつある」と語った。

写真

商標権問題、世界販売に打撃も

「iPad」の商標権所有を主張する中国企業が、米アップルの同名端末について、中国からの輸出禁止を求める見通しとなった。
  記事の全文 | 特集ページ 

外国為替

  • ドル/円
  • ユーロ/円

株価検索

会社名銘柄コード
 

ロイターオンライン調査

写真
80円以上
79円台
78円台
77円台
76円台
75円台
74円台
73円台
72円以下