再送:〔クロスマーケットアイ〕邦銀株の堅調さが日経平均下支え、長期金利は実質マイナスに
*午後1時36分に送信した記事のリードを一部修正して再送しました。
<東京市場 10日>
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日経平均 |国債先物9月限 | 国債294回債 |ドル/円(13:13) |
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13039.49円 | 1.570% | 136.15円 | 106.85/90円 |
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-12.64円 | -.0040% | +0.40円 | 106.80/82円 |
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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。
下段は前営業日終値比。為替は前日NY終盤。
[東京 10日 ロイター] 米国での信用不安再燃が世界の株式市場に重くのしかか
っている。ただ、10日の日本の金融株はおおむね底堅く、これが日本株の下値を堅くし
ているとの指摘がある。他方、円債市場は米債高を素直に反映し、
長期金利JP02940067=JBTC水準に物価水準を勘案した実質長期金利はマイナス圏に突入
した。株の米国離れがさらに進むかどうか、行方は日本の金融株が握っているとの声が
聞かれる。
<米信用不安の再燃が株式市場の重しに>
株式市場では午前の日経平均.N225は小幅安。午後になって前日比プラス圏に浮上し
た。米株安を受けて幅広い銘柄に売りが先行したものの、売り一巡後は短期筋による先物
の買い戻しで下げ渋った。「現物の売買高が少ない中、海外投機筋が先物を力ずくで動か
している。個人、ディーラーなどの国内勢は振り回されている状況だ」(準大手証券)と
いう。
金融問題に関する米国発の悪材料が相次ぎ、積極的に株式を買い上がる動きは見られな
い。米格付け会社フィッチ・レーティングスは9日、追加評価損計上や業績悪化の見通し
を理由にメリルリンチMER.Nの債務格付けを引き下げる可能性があると発表した。
また、米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート)が9日に発行した2年債のスプレッ
ドが74bpsと「過去最大のスプレッド」(証券)に急拡大したことが信用不安を再燃
させた。メリルや、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N: 株価, 企業情報, レポート)などの大幅下落により、9日の
S&P金融指数は5.2%安と、過去6年余りで最も大幅な下げを記録している
。
新光証券・エクイティストラテジストの瀬川剛氏は「10日にバーナンキFRB(米連
邦準備理事会)議長とポールソン米財務長官が議会に出席する。投資銀行の破たん処理へ
の言及もありそうだが、市場では金融当局の対応について、破たんの可能性がある投資銀
行が存在するためではないかとの危ぐもあり、不透明感につながっている」と述べる。
<連動しなくなった日米金融株>
だが、これまで米金融株下落時に連動して下げるケースが目立った日本の金融株は10
日、小幅高の銘柄が多く、急落した米金融株と好対照となった。東海東京証券のチーフエ
コノミスト、斎藤満氏は「投資銀をはじめとする米系金融機関の不良資産処理は、バーナ
ンキ議長が受け皿銀に言及するほど厳しいとみるべきで、ニューヨーク勢がようやくその
点を認識し、金融株が下げている。しかし、邦銀はサブプライムローン(信用度の低い借
り手向け住宅ローン )問題の傷が浅く、これまでの下げが大き過ぎた」と指摘する。
その上で「きょうは日本の金融株がつれ安になっていないため、日本株の下げは小幅にと
どまっている」と述べている。
また、ある邦銀関係者は「株式市場では、金融株が日米連動して下げる局面が目立って
きたが、ようやく現在の金融実態に合った値動きが出てきた。米系銀の貸出縮小を埋める
方向で邦銀が動き出しており、今後はその点に注目が集まれば、邦銀株が見直される可能
性もある」と述べている。
日本株が予想外に堅調な推移となっていることに関連し、東洋証券の情報部長、大塚竜
太氏は「シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)が大台を維持していたこともあり、売り
一巡後は底堅く推移している。1万3000円付近が堅くなってきているのはオプション
SQ前の思惑的な動きだけではなく、大台割れで年金など国内機関投資家が買いを入れて
いる可能性がある」と語った。
<円債市場に強気相場の思惑>
円債市場では、長期金利の低下とともに5年債利回りJP02940067=JBTCなる
1.120%に一時低下した。市場参加者によると、中期ゾーンの買いの主体は銀行勢。
先物には海外参加者の買いが入ったという。市場では「金融システムや景気に関心が移っ
ており、目先の金利上昇リスクに乏しい」(外資系証券)との指摘も少なくなかった。
この金利低下の動きの底流に、6月13日の白川方明日銀総裁の記者会見以降に生まれ
た「強気相場」への思惑がある、という見方が広がっている。UBS証券のチーフストラ
テジスト、道家映二氏は「日銀の利上げの時期が、大勢見通しの来年4―6月期よりも後
ずれする可能性が高まったとの見方が、国内投資家の間で広がっている可能性がある」と
指摘する。「銀行は中期債、生保が超長期債、マクロファンドは先物と、各ゾーンの主要
参加者が淡々と買いを入れ続けており、総裁会見を起点に始まった強気相場は全員参加型
になってきた」と話す。
同氏は「銀行がインフレ警戒からスティープ化を予想する一方、生保は新興国経済の悪
化に着目し、フラット化をみているようだ。インフレ懸念が程良いブレーキとなり、強気
相場は長続きしそうだ」とも指摘した。
こうした強気相場への思惑を背景に長期金利が低下した結果、長期金利が1.5%台に
なり、「コアの消費者物価指数(CPI)に目を転じれば、これから発表される6月全国
CPIはプラス1.6%の可能性が高く、足元で実質長期金利はマイナスになっている」
と東海東京証券の斎藤氏は指摘する。
今後のマネーや企業経営者の動向に関し、斉藤氏は「ここまで長期金利が下がれば、株
の益利回りなどとの比較で、株にマネーが流入しやすくなるということは言えるのではな
いか。また、実質マイナスの長期金利なのだから、設備投資をする意欲のある経営者の背
中を押す効果も期待できるだろう」と述べている。
(ロイター日本語ニュース 田巻 一彦;編集 山川薫)
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