〔ファンドビュー〕09年の日本株、電力・ガスなどに注目=インベスコ
[東京 27日 ロイター] インベスコ投信投資顧問は2009年の日本株の投資戦略として、交易条件の改善で恩恵を受ける企業や、M&Aなど積極的な中長期戦略に打って出られる企業などに着目。電力・ガスや紙パなどのセクターに注目しているほか、中小型株に関しては、これまでの需給関係で売られた成長株や割安なIPO銘柄などに着目している。企業業績については交易条件の改善などを背景に09年下期には緩やかな回復を予想している。
同社が開いた記者説明会「2009年の日本株式市場の見通しと投資戦略」での見解。
同社の大型株運用チームを率いるチームヘッドでシニアファンドマネジャーの長田清英氏は、09年の日本株のプラス材料として、歴史的にも日本株は割安な水準にあるとみているほか、今年前半にかけて企業が苦しめられたエネルギー・原材料価格の高騰が一転して下落傾向にあり、加えて円高傾向が続いていることで交易条件の大幅な改善をあげている。また日本企業の高い収益体質と潤沢なキャッシュを背景に積極的に株主還元を実施したり、長期的視野でM&Aなど攻めに転じる企業が出てきていることもプラス材料とみている。注目セクターには電力・ガス、紙パ、化学、機械、医薬品や円高で数量は落ちるものの自動車などを上げ、09年の日経平均のレンジについては言及をさけたが、まずは足元で9500円を抜けてこないと戻りは難しいのではないかとの見方を示した。
一方マイナス材料には、交易条件としては評価できる円高も、急激な円高はマイナス要因としたほか、米国をはじめとする世界経済の減速と、払しょくしきれない金融不安と信用収縮懸念を指摘した。
長田氏はリーマン・ブラザーズ(LEHMQ.PK: 株価, 企業情報, レポート)破たん以降の日本株の下げについて「今期の企業業績が26%の経常減益、来期も減益になるかもしれないとしても、本当にこんなに下がる背景があるのか。下げは本当にきつかった」とし、実際に今回の相場の下落が100年に1度といわれる背景について「VIX(Volatility Index)指数」を例に上げた。「足元のVIX指数は80台とかつてない程に跳ね上がり、50─80の間で高止まりしている。今のアメリカ、株式市場あるいは世界経済に対する投資家の不安感を物語っている」(長田氏)と述べた。
VIX指数は米シカゴオプション取引所が発表しており、S&P500を対象とするオプション取引の値動きを元に算出・公表している。将来の投資家心理を示す数値として利用されており、投資家心理を表す指数として別名「恐怖指数」ともいわれている。このVIX指数は、02年のワールドコム破たん時でも48程度、01年の米国の同時多発テロ時も50以下の約49、アジア通貨危機やLTCM破たん時でさえ50を超えることはなかった。VIX指数が50─40に落ち着いてくれば、投資を本格的に考え始め、30─20水準に入ってきたのであれば、正常な水準になってきたと判断できるのではないか、という。
一方、長期の下落傾向が続く中小型株市場について、同社の中小型株運用チームのチームヘッドでシニアファンドマネジャーの得能修氏は、リーマンショック以降、リスク資産を極力減らそうとする機関投資家の売り圧力を背景に、9月以降は企業業績の上方修正効果がなくなってきたことや、国内外の機関投資家保有比率の高い銘柄ほど下落率が大きくなっていることを指摘した。機関投資家が保有しているのは成長株であり、リスク資産を減らしてキャッシュをとなった場合には、まずは中でもボラティリティの高い中小型株から売られたという。
また景気は後退局面入りしたが、景気拡大局面の前半までは小型株が優位という経験則があるほか、中小型株の反転は市場の底打ちよりも早いというのがある。得能氏は09年の中小型株の投資戦略として「金融危機はある程度収束してくるとみている。そうなると需給関係で売られ、ファンダメンタルのき損していない成長株にはチャンスがある」としたほか、過去のパターンが活きるなら「トレンドの変化が出てくる前には、成長株が活躍する余地がある。今回もこのパターンを踏襲してくることを期待したい」と述べた。
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(ロイター日本語ニュース 岩崎成子記者)
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