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仙台G7、成長確保へ政策活用で合意:識者はこうみる
2016年5月23日 / 01:52 / 1年前

仙台G7、成長確保へ政策活用で合意:識者はこうみる

 5月23日、仙台市で開かれていた主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は21日、世界経済の成長確保に向けて各国が金融・財政・構造政策を活用していくことで合意し、閉幕した。写真は麻生太郎財務相。北京で2014年10月撮影(2016年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 23日 ロイター] - 仙台市で開かれていた主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は21日、世界経済の成長確保に向けて各国が金融・財政・構造政策を活用していくことで合意し、閉幕した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

<岡三証券・債券シニアストラテジスト 鈴木誠氏>

主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議で、世界経済の成長に向けて各国が金融・財政・構造政策を活用していくことが再確認された。世界経済に不確実性が増す場合には、具体的な政策が出てくることもあるのだろう。しかし、足元において、各国の事情が異なるため、財政政策に関する具体的な政策協調は見られず、マーケットサプライズはなかった。

市場で、米国の利上げ観測が強まったことで、急速な円高懸念が後退している。為替政策について、日米で若干のすれ違いがあるかもしれないが、1ドル110円付近まで水準が円安方向に戻しているため、踏み込んだ議論が見られなかった。主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でも、具体的なことは決まらないだろう。

<みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト 唐鎌大輔氏>

現在、国際経済外交における論点は、ドル高を望まない米国と、財政出動に消極的なドイツの2つとなっているが、今回の主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で状況に大きな変化はなかった。

米国は国内の政治情勢もあり、年内はドル高を回避したいという通貨政策を変えるのは難しいのだろう。そのため、為替相場見通しとして、これ以上、ドル高は難しそうだという状況は全く変わっていない。市場では早期利上げ期待がにわかに高まっているが、実際に利上げに踏み切った場合は、さらなるドル高を誘発して自らの首を絞めることになるとみている。

一方、財政出動に対するドイツの姿勢も変わらなかった。ユーロ圏では、ドイツの経常黒字の積み上がりが周辺国の経済を弱らせる一因となり、欧州中央銀行(ECB)が金融緩和をするということを繰り返している。こうした循環を断ち切るため、ドイツが財政出動する、ユーロ圏として共同債を出す、ECBが緩和を停止する、といった方法が考えられるが、その兆候は全く見られない。ドイツの経常黒字拡大を放置することは通貨安戦争の萌芽になりかねず、今後、これがG7やG20における大きなテーマになってくる可能性がある。

<大和証券 シニアストラテジスト 石黒英之氏>

財政出動をめぐって各国の足並みがそろわず、協調合意には至らなかった。日本単独で財政出動を実施しても、各国が追随しなければ世界の総需要を高める効果は限定的となる。26─27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向けて世界で団結した政策が打たれるという過度な期待があるだけに、各国の温度差が露呈したことは期待後退につながり、株式市場の重しとなりやすい。

また麻生太郎財務相がルー米財務長官との個別会談で消費増税に関して予定通り実施する旨を伝えたことも、日本株の懸念材料だ。いくら大規模な財政出動を実施するとしても、増税に対する日本国民の抵抗意識は強く、財政出動による景気の浮揚効果は限られる。日本株は消費増税先送りを織り込んでいた側面が強く、増税実施となれば海外勢を中心に株売りにつながるだろう。

<SMBCフレンド証券 チーフストラテジスト 松野利彦氏>

仙台市での主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、財政面での協調に至らなかったうえ、米国側の円相場に対する姿勢も、無秩序と言うにはハードルが高いとしており、これまでとスタンスに変化はない。仏財務相も介入の必要はないとしており、市場介入に対するこうした見解がまとまりつつある点はネガティブだ。さらに4月貿易収支の黒字額が高水準となったことも円高材料となり、日本株の下げにつながった。

財政出動に関しては、構造改革を重視するドイツの態度も変わっていない。こうした流れは、今週の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でも変わることはないだろう。消費増税を予定通り実施すると麻生財務相がルー米財務長官に伝えたことも、政策総動員という観点からは逆の動きととらえられる。

今週に関しては、米利上げ観測がどうクローズアップされていくかが注目される。週末にはイエレン米連邦準備理事会(FRB)の講演が控えている。早期利上げ観測がこれまでのドル高/円安材料となっていただけに、この流れが継続するかがポイントとなるだろう。

*内容を追加しました。

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