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焦点:相次ぐ政治ショック上回る、世界成長のサプライズ
2016年12月12日 / 07:43 / 9ヶ月前

焦点:相次ぐ政治ショック上回る、世界成長のサプライズ

 12月9日、英国民投票でEU離脱派が勝ち、米国でトランプ氏が大統領選に勝利するなど、この1年間に政治面で衝撃的な出来事が相次いだにもかかわらず、世界経済は力強さを保ったまま年を越そうとしている。金融市場にとっては想定外の展開だ。NY証券取引所で8日撮影(2016年 ロイター/Brendan McDermid)

[ロンドン 9日 ロイター] - 英国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝ち、米国でトランプ氏が大統領選に勝利するなど、この1年間に政治面で衝撃的な出来事が相次いだにもかかわらず、世界経済は力強さを保ったまま年を越そうとしている。金融市場にとっては想定外の展開だ。

各国中央銀行の量的金融緩和やトランプ次期政権の財政政策への期待感が景気を下支えしている。シティがまとめるエコノミックサプライズ指数(びっくり指数)は国別・地域別指数が2014年2月以来、約3年ぶりにすべてプラスとなり、ユーロ圏の指数は2010年10月以来で最も高くなった。

大統領選前のトランプ氏に対するコンセンサスを考えれば、今月に入ってからの投資家の間での楽観論の広がりは驚くべきものだ。

シティのエコノミストチームは今年に入って世界が景気後退入りするリスクを警告し続け、8月にはトランプ氏が勝てば世界の成長率が0.7─0.8%ポイント押し下げられるとの見通しを示した。しかし最近、来年の世界の成長は2.7%となり、今年見込まれる2.5%を上回るとの見通しを明らかにした。

経済協力開発機構(OECD)はもっと楽観的で、トランプ次期政権の政策見通しを理由に先に世界成長率について来年は3.3%、今年は2.9%にそれぞれ予想を引き上げた。

資産運用会社カンドリアムの資産アロケーション部門の責任者、ナデージュ・デュフォセ氏は「米経済が2017年に景気後退入りする見通しは小さくなった。当社は株式をオーバーウエイトとしており、特に米国と日本でその傾向が顕著だ」とした。

トランプ氏の勝利を受けてアジアや欧州の市場では株価が大きく下げ、債券利回りとドルも下落した。しかし米国の株式市場はすぐに持ち直し、主要指数は最高値を更新。投資家の不安心理の度合いを示すとされるVIX指数は過去最低水準に下がった。

しかもこうした株価上昇は、債券利回りやドルが大幅に上昇する中で起きた。利回りとドルの上昇は金融引き締めの効果を持ち、成長を阻害する可能性がある。

この数年、とりわけ2016年は、政治、経済、金融面の重大なリスクが金融市場の急落につながっていない。英国のEU離脱を巡る国民投票や昨年のギリシャの金融危機、米国の政府機関閉鎖問題などは、いずれも非常に強い警戒感が広がったにもかかわらず、実際には危機に発展しなかった。

クラインオート・ベンソンの最高投資責任者のMouhammed Choukeir氏は先月のロイター・グローバル・インベストメント・アウトルック・サミットで、投資家は「政治面のノイズに対して過度な懸念を持つべきでない」と述べた。

(Jamie McGeever記者、Vikram Subhedar記者)

*本文中の表記を一部修正しました。

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