〔アングル〕2008年のゲーム機市場、「PS3」にスポットライト

2008年 03月 3日 12:08 JST
 
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 [シンガポール/東京 29日 ロイター] 家庭用据え置き型ゲーム機の市場では、2007年が任天堂(7974.OS: 株価, ニュース, レポート)の「Wii(ウィー)」の年だったとすると、2008年はソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)の「プレイステーション(PS)3」にスポットライトが当たることになりそうだ。

 2月の日本国内の販売台数ではWiiがPS3の約4倍となったが、昨年11月にはPS3の販売台数がWiiを初めて上回る逆転現象も起きており、条件がそろえば形勢が変わる可能性もある。

 アクションゲーム「LittleBigPlanet」などのPS3専用ソフトのリリースや、本体製造コスト低減による値下げの可能性、新世代DVD規格争いでソニーが推進する「ブルーレイ」が実質的に勝利したことが、PS3人気の拡大に寄与するとみられる。

 米市場調査会社アイサプライのアナリストは「2008年はPS3にとって転機の年になるだろう」と指摘。「グランツーリスモ5」など人気タイトルの新作ソフトが出そろうことで、PS3の販売台数は伸びると予想している。

 さらに「ソニーは2008年にPS3をさらに値下げすると考えられ、クリスマスにはWiiを持っている人がPS3を購入する可能性がある。ゲーム機の主導権争いは最終的には価格面に行き着く」と述べた。

 ソニーは1990年代半ば以降の約10年間、世界の家庭用ゲーム機市場を「プレイステーション」と「プレイステーション2」で席巻。同2機種の販売台数はそれぞれ1億台を超える。ただ、後継機のPS3は、米マイクロソフト(MSFT.O: 株価, 企業情報, レポート)の「Xbox360」に発売時期で先を越されたほか、競合機種に比べて価格が高いことや、ヒットタイトルの不足がこれまでは足かせとなっていた。

 ソニーは昨年11月、米国でPS3の値下げを実施。また来年度下期には、生産効率の改善や部品コストの下落により、PS3の製造コストが販売価格を下回るとソニーは見込んでおり、そうなれば一段の値下げ余地が生まれることになる。

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)米国法人のプロダクト・マーケティング担当バイスプレジデント、スコット・スタインバーグ氏は、ロイターの取材に対して「プレイステーション3の年は2007年の秋にスタートし、今後も続くとみている。ポジティブなモメンタムを感じている」と述べた。

 <ブルーレイ効果とヒットタイトル>

 米国ではPS3の下位機種は400ドルで売られているが、これは新世代DVD規格「ブルーレイ」のディスクプレーヤーとしては最も安い水準であり、DVDプレーヤー需要がPS3に波及する可能性もある。

 新世代DVD規格をめぐっては、先に東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)が「HD DVD」に関連する大半の事業から撤退する方針を発表。実質的にソニーなどが推進する「ブルーレイ」陣営に軍配が上がった。

 アイサプライのアナリストは「ユーザーはゲームのためだけでなく、ビデオ目的でもPS3を購入するかもしれず、そのことが、より長い目で見た場合にWiiやXbox360に対する競争上の優位性を与えている」と指摘した。

 「メタルギアソリッド4」や「グランツーリスモ5」といった人気タイトルの新作リリースが控えていることも、PS3本体の販売に貢献するとみられる。昨年9月に発売されたXbox360の専用ゲームソフト「ヘイロー3」は、ゲーム機本体の売り上げを大きく伸ばした実績がある。

 大手ゲームソフトメーカーの米エレクトロニック・アーツ(EA)(ERTS.O: 株価, 企業情報, レポート)は、2008年のゲーム機の販売台数について、PS3を950万─1150万台、Xbox360を600万─800万台と予想している。

 <ライバルの動向>

 一方、PS3の前には依然として高いハードルもある。任天堂は、日本で発売開始後の9週間で累計販売が120万本を突破したフィットネスゲーム「Wiiフィット」を、今後は海外でも発売する計画。アイサプライのアナリストは、これによってWiiの勢いは今後も持続するとみている。

 任天堂は2006年に発売を開始したWiiにより、女性や高齢者など新たな層をゲーム市場に取り込むことに成功。2007年末までの2年間で株価は5倍以上に跳ね上がり、時価総額では日本企業3位となった。

 一方、マイクロソフトは2月、ホリデー後のおう盛な需要によるXbox360の在庫不足を解消するため、向こう数週間は出荷量を増やすとの方針を明らかにし、米国での販売台数でPS3を追い抜けるとの自信を示した。

 ストラテジー・アナリティクスのアナリスト、ピーター・キング氏は「製品の信頼性を高め、オンラインの部分を改善し、もっとタイトルを増やせれば、2009年にはマイクロソフトが任天堂に追いつく可能性もある」と話している。

 
 

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