UPDATE2: 富士フイルム<4901.T>が富山化学<4518.T>を買収、医療用医薬品事業に本格参入
*買収総額などを加えました。
[東京 13日 ロイター] 富士フイルムホールディングス(4901.T: 株価, ニュース, レポート)と富山化学工業4518.T、大正製薬(4535.T: 株価, ニュース, レポート)の3社は13日、資本・業務提携で合意したと発表した。富士フイルムは第三者割当増資の引き受けと株式公開買い付け(TOB)を通じ、富山化学株の66%を取得して連結子会社化。医療用医薬品事業へ本格参入する。大正製薬は、富山化学株の持ち株比率21.8%を34%に引き上げる。富士フィルムの買収総額は1300億円程度となる。
3社の話し合いは昨年夏ごろ始まり、秋ごろから具体的な議論を開始したという。
富士フイルムの古森重隆社長は会見で「現在3000億円規模のメディカル・ライフサイエンス事業を、10年後には、予防・診断・治療の全領域をカバーする1兆円規模の総合ヘルスケア事業として大きく成長させる。医薬品事業はその柱」と述べた。これまで診断に偏っていたが、富山化学を治療領域の中核企業と位置付け、拡大を目指すという。
1兆円達成に向け、さらなるM&A(合併・買収)の可能性については「今のところは3社の共同が一番重要だが、可能性増大のために付加的なことがあれば、当然行っていく」と述べ、将来的な可能性については排除しなかった。
富山化学の菅田益司社長は「研究開発費増大とともに、自社開発品の海外販売網の整備も急務」との認識を示し、富士フイルムの海外インフラの活用を行うとした。富山化学は300億円の資金を調達することになるが、アルツハイマー病治療薬「T─817MA」、インフルエンザ治療薬「T─705」などの開発費用・新薬創製研究に200億円、新製品の原薬製造設備などに100億円を充当する方針。
<インフルエンザ治療薬は09年発売を計画>
富山化学は「インフルエンザ治療薬」や「アルツハイマー病治療薬」などのパイプラインを有している。特に、鳥インフルエンザに対する有効性も確認されているインフルエンザ治療薬「T─705」は、新型インフルエンザの大流行(パンデミック)への対応として早期開発と安定供給体制の構築を加速させるとしている。
富山化学の菅田社長は「T─705」について「2009年に申請・発売を行いたい」と述べた。富士フィルムの古森社長は「生産面・販売面・資金面で全面的に支援し、早期の安定供給大勢確立を目指す」と、全面協力の姿勢を打ち出した。
大正製薬は、国内販売機能の効率化を目指し、富山化学と合弁で販売会社「大正富山医薬品」を設立しているほか、研究開発でも協力体制を敷き、昨年10月には合成抗菌剤「ジェニナック」を上市した。大正製薬の上原明社長は「大正富山医薬品への新薬供給を最重要視している」と述べ、富山化学の新薬開発力が向上すれば「大正富山医薬品」に対して、より多くの新薬の供給が可能になることが大きなメリットだと指摘した。
今回のスキームでは、2月末に富山化学が富士フイルムと大正製薬に対して約300億円の第三者割当増資を実施。一方、2月19日から富士フイルムが富山化学株を1株880円で公開買い付け(TOB)する。最終的には、富士フイルムが66%、大正製薬が34%の株式を保有したい考え。
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