長期金利は1.4%挟みで推移、白川日銀総裁就任で利下げ観測後退か=来週の円債市場

2008年 04月 11日 17:04 JST
 
記事を印刷する |

 [東京 11日 ロイター] 来週の円債市場は、10年最長期国債利回り(長期金利)が1.4%を挟んで推移するとみられる。米金融機関の決算発表を受け、アク抜け感が強まれば金利上昇に弾みがつきやすい。一方、ファンダメンタルズ面からの売り材料には乏しい。押し目では、余剰資金を抱える投資家の運用資金が流入することも予想され、次第に需給引き締まり感が強まりそうだ。白川方明・日銀総裁は福井前総裁の金利正常化路線を踏襲するとの見方が多い。4月末に予定される日銀展望リポートに下方圧力がかかるとの読みは根強いが、日銀利下げ観測は後退する可能性がある。

 

 国債先物6月限の予想レンジは138.50円─140.50円。

 10年物最長期国債利回りの予想レンジは1.430%─1.330%。

 

 長期金利は1.4%を挟んだ推移が見込まれる。新年度入り以降の利付国債入札が不調にとどまり、主要投資家に手控えムードが広がっている。海外市場で予定される米金融機関の決算発表後にアク抜け感が強まり、株高を経由した金利上昇圧力がかかることもあり得る。市場参加者からは「国債先物が独歩高で推移した揺り戻しが出やすい」(外資系証券)との声が聞かれる。

 財務省は15日、30年利付国債(6000億円、2038年3月20日償還)の入札を実施する。このため、入札前の調整で超長期債利回りが軟調に推移することも考えられる。

 ただ、ファンダメンタルズ面からの売り材料には乏しい。サブプライムローン問題の深刻化による米景気悪化の影響が避けられず、日銀が1日公表した企業短期経済観測調査(日銀短観)が悪化。「展望リポートでの下方圧力は必至」(国内証券)との見方が多い。押し目では投資家の余剰資金が流入することが予想され、次第に需給引き締まり感が強まる展開になりそうだ。

 

 ロイターが11日、著名な金利ストラテジスト・エコノミスト6人を対象にヒアリングした結果、市場では、白川方明新総裁が率いる日銀新執行部が福井俊彦前総裁の下での路線を踏襲し、当面は現在の金融政策を維持、金融環境が回復すれば、経済実態に見合った金利水準に引き上げる「金利正常化路線」を取るとの見方がコンセンサスになってきたことがわかった。

 金融市場のBOJウォッチャーからみると、白川総裁は実務家としての評価が高く、金融・経済環境の変化に合わせた機動的な政策運営に対する期待感が強い。同時に白川総裁は会見などで、現在の短期金利が潜在成長率を下回るなど、現在の金融政策が緩和的であるとの認識を示している。

 市場では「緩和的との論理を全面に出して拙速な利下げを避けるだろう」(みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏)として、利下げ期待が後退している。景気下振れなどの不透明要因が払しょくされた場合には「金利正常化を再開することになるのではないか」(大和証券SMBC・チーフストラテジストの末澤豪謙氏)との声もある。

 

 (ロイター日本語ニュース 山口 貴也記者)

 
 

株価検索

会社名銘柄コード
 

ロイターオンライン調査

写真

ドルが14年ぶりに86円台へと下落したが、これが「ドル危機」に発展する日が来るのかどうか。  ブログ 

  • 日本日本
  • アジア
  • 米国米国
  • 欧州
  • 東証1部 値上り率