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【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆ポジション調整は一巡の公算も、方向感なく◆
2017年4月2日 / 00:58 / 6ヶ月前

【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆ポジション調整は一巡の公算も、方向感なく◆


*09:50JST 【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆ポジション調整は一巡の公算も、方向感なく◆

〇事態は混沌、為替中心に調整の動きを見る〇

ブルームバーグが「ポンド不人気、PIMCOは慎重、GSは売り選好」と報じた昨日、英ポンドは対ドルで8週間ぶり高値に急伸した。29日から長く困難なEU離脱交渉が始まるので、「ポンド苦戦」の見方は一般的だが、市場は逆の動きとなった。一時、1ポンド=1.2615ドル。つれて、ユーロは昨年11月11日以来の1.0904ドル、ドル円は11月18日以来の110.12円。ドルの弱さが目立つ展開だ。ただ、そこからドルは若干持ち直し、辛うじて11月9日以降のトランプ相場の範囲内にある。

IMM通貨先物の建玉は、21日時点で英ポンドは10万7844枚のネット売り越しにあった。前週から727枚増えたが、事実上横ばい。ただ、ロング、ショートの建玉双方が減少し、何等かの手仕舞いの動きとも見えた。どの程度の買戻しの動きが出たか分からないが、英ポンド急伸の背景と見られる。英ポンドに次いで売り越しが大きいのが円。6万6987枚で、前週比4310枚の減少。英ポンドより一歩早く円高圧力が掛かっている。ユーロは1万9662枚、前週比2万1365枚減少し、オランダ選挙後ユーロ危機は急速に遠のいた。一時最大の売り越しだったメキシコ・ペソに至っては僅か3281枚の売り越し、前週比2186枚の減少で、最近のメキシコ株高と連動している。

ここに来ての調整は「トランプ政策への懐疑」=政治不信が喧伝されがちだが、投機筋の思惑違いの要素も大きいと思われる。振り返れば、最も早くに崩れたのは原油相場。27日のWTI相場は47.73ドル/バレル。22日に47.01ドルの安値を付けた後、辛うじて底割れを回避している。前にも触れたが、昨年1-3月の原油相場は30ドル割れの超安値圏にあり、前年比のインフレ率を高めに推移させる原動力となっていた。現状では、インフレ率は弱まることが予想され、これが主に米金利上昇圧力を弱める=ドル弱含みの展開を招いている可能性がある。トランプ政治への失望感は確かにあるが、ポジション調整の要因はそれだけでは説明できない。27日の米債市場で、30年債は3%割れ、10年債利回りは2.3782%(前日2.4000%)に低下した。

今は、調整の波が底割れ回避でとどまるか、底割れして方向転換を印象付けるかを見極める局面と考えられる。オバマケア代替や米減税だけでなく、英国のEU離脱交渉、北朝鮮情勢など、緊迫感のある不透明材料は依然多い。

余談だが、世界主要行が法令遵守スタッフ削減に動いていると報じられた。英RBSは最大2000人、スイス大手UBSなども追随すると言う。主要行で合計3210億ドルの制裁金支払いとなるなかで採用ブームが続いてきたが、法的負担が一巡、AI(人工知能)化もあって、コスト圧縮に動き始めたとの位置づけ。ちなみに、世界の法律事務所で「弁護士ロボット」が働き始めているが、現在は試験的導入ながら、将来は1台で50人分の仕事に代替すると言う。ヘッジファンド運用にもAI技術が導入され始めており、人間とは異なるシナリオやポートフォリオを構築する可能性がある。また、日経会社情報の事実上の廃刊、クレディ・スイスの日本と香港での株式調査部門縮小、決算短信から業績予想を削除する動きなども報じられている。従来の仕組みでは通用しない流れも、相場攪乱要因と受け止められる。


以上



出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/3/28号)


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