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【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(1):◆緊張継続、我慢比べ◆
2017年4月23日 / 00:47 / 5ヶ月前

【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(1):◆緊張継続、我慢比べ◆


*09:40JST 【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(1):◆緊張継続、我慢比べ◆

〇中国圧力ジワリ、半島緊張続く〇

週末の北朝鮮最大イベントを通過し、今週は為替を含む日米対話攻防や仏大統領選に関心が向かうと見られていたが、リスク混在状態が継続する見込みだ。米国は中国の対北圧力を誘引、当面は外交による解決に努める姿勢なので、北朝鮮の暴発(核実験、ICBM発射)が起こるかどうかを睨みながらの攻防になる。月末か、来月上旬か、米第7艦隊が動く時が次の攻防のヤマ場になると考えられる。

北朝鮮での取材陣の記事で一番目に付いたのは、ロイターが配信した「重大イベントの一部始終」。取材陣は午前4時45分に起こされ、日の出とともにバスで移動、2時間のセキュリティーチェックを受け、「黎明通り」に移行したと言う。パスポートとカメラしか携行を許されなかった。水もダメで、現地でトイレが無いのが理由。ビル群だが、完成していないことを証明する逸話となった。航空写真で見ると、新高層ビル群以外の建物でも、外壁しかなく、裏側が工事中のものが多いと指摘される。映像で見る平壌の高層街は映画のセットに近いものがある。北朝鮮の「実力」を測りかねる一因となっている。

中国はトランプ米大統領の後押し、甘言誘導もあって、北朝鮮制裁に動いている。石炭運搬船を追い返し、中国国際航空が運航停止(ただし、北朝鮮の高麗航空について報道はない)、中国国際旅行社などが観光を全面中止した。北朝鮮の言動で、対中国のことが一切含まれていないので、効果のほどは不明だが、中国の武大偉氏訪朝を断ったと一部で報じられ、中朝国境にも緊張感が高まっていると思われる。北朝鮮は少なくとも核実験に踏み切れないとの見方が台頭してくるかどうかが焦点になろう。

14日、米財務省が発表した半期為替報告書で、中国の「為替操作国」認定を見送った。既に、人民元安を防ぐ局面に移行しているので、米国の従来の姿勢が通用しなくなっているが、その分、「ドル高抑制」の姿勢で円高圧力に転化した格好。「従来比2割も円安」との牽制は、120円時の発言と見れば、米側は100円近辺を望んでいることを示唆する。これは、黒田バズーカ初期の105円限界説に該当する。日本の対米インフラ投資(ドル買い)がいつから始まるか不明な環境下では、105~110円ゾーンにドルが切り下がった可能性を探ることになろう。ドル円が5円や10円切り下がったところで、貿易収支に大きな変化はないだろうが、赤字削減本命の中国への牽制、「成果」と言いたいトランプ大統領の姿勢から見て、声高に強調される公算がある。

トヨタ株が一つのチェックポイントとなる。唯一、トランプご指名を受けているので、日米対話の象徴にされ易い。14日株価は切り返したが、全体安をカバーできなかった。6000円台(14日5798円)を回復してこられるか注目される。

ユーロが115円を割りそうで、弱い。23日の仏大統領選が重荷だが、13日の世論調査では、国民戦線ルペン氏24%、中道系マクロン前経済相23%、共和党フィヨン氏20%、急進左派メランション氏17%。決選投票では、マクロン対ルペン63:37、フィヨン対ルペン59:41で、ルペン氏に勝ち目は無いと見られているが、支持候補がなく約1/3が棄権する(誰が当選しても不安定)との見方も出ている。リスク回避ムードが長引く公算がある。

ドル建て日経平均も、リスク回避から170ドル割れとなっているが、企業業績や投機筋ポジション(IMM通貨先物の建玉は円売り越しが3万4764枚に減少、昨年12月来の水準。一気に円買い越しに転換するとまでは想定し難い)などから見て、安値圏揉み合い・リバウンドを探る展開が考えられる。攻防軸は168ドル×108円=18144円から170ドル×110円=18700円のゾーンが有力視される。


以上


出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/4/17号)



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