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オンコリスバイ Research Memo(6):転移・再発がんの早期発見用検査薬としての事業化を目指す
2016年9月26日 / 06:41 / 1年前

オンコリスバイ Research Memo(6):転移・再発がんの早期発見用検査薬としての事業化を目指す


*15:38JST オンコリスバイ Research Memo(6):転移・再発がんの早期発見用検査薬としての事業化を目指す
■オンコリスバイオファーマ4588の開発パイプラインについて

(2)テロメスキャン

a)概要
テロメスキャンは、アデノウイルスの基本構造を持ったテロメライシンにクラゲのGFPを組み込んだ遺伝子改変型アデノウイルスとなる。テロメラーゼ陽性細胞(がん細胞、炎症細胞など)に感染することでGFPが発現し蛍光発光する作用を利用して、がん転移のプロセスに深く関与するCTCを高感度に検出する。

これまでPET検査などでは検出が難しかった直径5mm以下のがん細胞の早期発見や、転移・再発がんの早期発見などが可能となるほか、検出したCTCを遺伝子解析することによって最適な治療法を選択する「コンパニオン診断」※のツールとして利用することも可能となる。当面は転移・再発がんの早期発見用検査薬としての事業化を目指している。なお、検査方法としては、患者の血液を採取し、赤血球の溶血・除去を行ってからテロメスキャンを添加しウイルスを感染させる。感染により蛍光発光したGFP陽性細胞を検出、CTCの採取といった流れとなる。また、必要に応じて採取したCTCの遺伝子解析も行っている。

※患者によって個人差がある医薬品の効果や副作用を投薬前に予測するために行なわれる臨床検査のこと。薬剤に対する患者個人の反応性を遺伝子解析によって判別し、最適な治療法を選択できるようにする。新薬の臨床開発段階でも用いられる。

また、テロメスキャンF35はテロメスキャンに違う型のアデノウイルス遺伝子を組込み、感染率の向上とがん特異性を高めた改良型のテロメスキャンとなる。それぞれの特性には一長一短があり、テロメスキャンは蛍光体の輝度が高く検出がしやすいものの、白血球にも反応し若干発光するため、白血球を取り除く工程が必要となる。一方、テロメスキャンF35はがん細胞のみを発光させるため、白血球を取り除く工程は不要となるが、発光輝度が若干弱いといった難点がある。

b)開発状況
テロメスキャンに関しては、2012年より国内で研究目的での受託検査サービスを開始している。また、海外ではライセンス契約締結先であるLiquid Biotech社が米国で510(k)※による承認申請に向けた臨床研究を進めている。Liquid Biotech社との契約内容は、北米でのテロメスキャンを用いたがん検査の事業化権の許諾と、契約締結から一定期間経過後に、テロメスキャンをLiquid Biotech社に有償販売するものとなっている。このため、今後は開発の進捗に応じたマイルストーン収入及び、テロメスキャンの販売額が売上高に計上されることになる。

※米国食品医薬局が既に市販されている先発機器との実質同等性の有無を判断して、米国内での販売を許可する制度。

また、韓国においてWONIK CUBE社がテロメスキャンF35の承認取得に向けた研究開発を開始している。2014年12月にライセンス契約を締結したが、韓国内でウイルスによるがん検査薬の開発は初めての取り組みとなることから、準備に1年ほど時間を費やしたようだ。同社は2016年5月に韓国内での製造権もWONIK CUBE社に付与する契約を締結している。

c)競合状況
テロメスキャンのターゲット市場となるCTCの検査市場では、現在米Veridex社のCellSearchシステムが唯一欧米市場で販売承認を受けており、既に乳がん・大腸がん・前立腺がんのCTC検出において使用されている。また、同業他社もCTC検査機器の開発にしのぎを削っており、開発競争が激しい領域となっている。しかし、これらの検査システムはEpCAM(上皮細胞接着分子)と呼ばれる細胞表面マーカーを検出する方法を用いており、その細胞表面マーカーの発現が低いと言われている肺がん細胞等の検出が困難であるという欠点を持っている。

一方、同社のテロメスキャンでは肺がん細胞を始めとするほとんどのがん種において、CTCの検出が可能なほか、生きているCTCや悪性度の高い間葉系がん細胞を捕捉することが可能で、がん転移後にCTCを分析することで最適な治療法を選択できるといった長所を持つ。米ペンシルバニア大学で実施したCTCの検出率比較においても、7種のがん疾患のうち5種において検出率に顕著な優位差が出ているとの調査結果が発表されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《HN》

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