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ヒマラヤ Research Memo(9):月次売上高はいち早く回復の兆しが見え始める
2017年3月3日 / 08:06 / 7ヶ月前

ヒマラヤ Research Memo(9):月次売上高はいち早く回復の兆しが見え始める


*17:01JST ヒマラヤ Research Memo(9):月次売上高はいち早く回復の兆しが見え始める
■同業他社比較

スポーツ用品小売で同業大手のゼビオホールディングス(以下、ゼビオ)8281、アルペン3028との直近の経営数値の比較をまとめてみた。

1. 月次売上高、売場面積
既存店売上高の前年同月比伸び率推移を見ると、2016年以降は7月を除いて3社ともほぼ前年同月の水準を割り込んで推移してきたが、なかでもヒマラヤの減少率は他社と比較して大きく推移してきた。大手2社が全国展開しているのに対して、ヒマラヤ7514は関東以西に営業エリアが限定されており、前年は異常気象によるマイナスの影響を同社が最も受ける格好になったのが主因と見られる。冬シーズンでは西日本の降雪が極端に少なかったほか、秋口の気温についても西日本は比較的温暖な気候が続き、それぞれ関連商材の販売動向に影響した。また、カジュアル商材を品揃えしない同社の商品政策により、好調なスニーカー市場を取り込めなかったこと、適時適量仕入の実施で一部商材が品不足となり販売機会ロスが生じたことなども要因と見られる。

ただ、1月の既存店売上高では同社が唯一、前年同月比でプラスに転じるなど先行して回復の兆しが見え始めている。閉店セールの効果もあると見られるが、今年は西日本でも降雪があり、気候条件としては他社とほぼ同様と見られ、前年の発射台が低い分、2月以降も2社を上回る水準で推移することが見込まれる。

売場面積については、2015年までは3社とも出店数の増加に伴い拡大傾向が続いていたが、2016年に入ってアルペンが不採算店舗の見直しを始めたことにより、頭打ちの傾向となっている。今後は既存店舗の収益動向次第ではあるが、ドミナント戦略による出店数の増加や、新業態店舗の出店を予定していること、東北・北海道など未進出エリアがあることなどから、長期的には売場面積を拡大していく余地はあると見られる。

2. 収益性指標
収益性について比較すると、売上総利益率は3社の中でアルペンが安定して40%台をキープしており最も高い水準となっている。ゼビオとヒマラヤは35~40%の水準で推移しているが、直近の数四半期について見ればヒマラヤの低迷が目立っており、直近四半期を前年同期の水準と比較すると、3社の中で同社だけが低下した格好となっている。

前述したように、衣料品関連全般の低迷により値引き販売を強いられたことが影響したと見られる。今後は適時適量仕入の精度向上やプロパー販売力の強化、並びにPB商品の販売増などによって売上総利益率の向上を目指していく考えだ。

在庫回転率 (売上原価÷期中平均在庫) を見ると、新規出店用の在庫積み増しや売上高の季節変動要因などにより、 同社の場合は四半期ごとにバラつきが出るものの、平均で見ればゼビオと同社がほぼ同水準となり、アルペンがやや低い水準で推移している。同社の2017年8月期第1四半期末の在庫水準は22,975百万円と前期末比で4,692百万円の増加となったが、前年同期比では945百万円の減少となった。在庫回転率では同0.50回と前年同期の0.46回からやや改善している。前年同期は暖冬の影響などで在庫がやや過剰気味となっており、当期については在庫が適正水準でコントロールされていると言える。大手2社の直近四半期の在庫回転率は、いずれも前年同期から悪化している。

販管費率に関しては、各社ともここ数年は人件費の増加を主因として若干ながら上昇傾向となっている。3社の比較ではアルペンの水準が高くなっているが、これは他社に対して人件費率の水準が高いことが要因と考えられる。売上規模が同水準のゼビオとの比較で見ると、全従業員数が1割程度多いほか、正社員数の比率も高いことが要因となっている。全従業員に占める正社員の比率は同社とアルペンが約37%であるのに対して、ゼビオは約25%と低い。ゼビオでは店舗でのアルバイト従業員比率が高くなっていることが要因と考えられる。

直近四半期の比率で見ると、前年同期比ではヒマラヤだけが改善しており、大手2社は若干ながら比率が上昇している。前述した通り、同社については販促費や新規出店費用の抑制に取り組んだ効果が大きい。ただ、今後は新業態の出店やEC事業強化のためのシステム投資等の費用増が見込まれるため、通期では同社の販管費率も前期比で上昇することが見込まれている。

2011年度以降の営業利益率の推移を見ると、3社とも右肩下がりの傾向となっている。天候要因に加えて、サッカー等チームスポーツ用品市場の低調が続いていることや異業種の参入で競争が激化している等市場環境の変化によって売上総利益率が低下し、また、人件費増を主因として販管費率が上昇傾向になっていることが主因だ。大手2社については2014年度及び2015年度を底にして2016年度以降の回復を見込んでいる。一方、ヒマラヤは他社よりも収益の悪化が1年遅れたことに加え、2016年度は収益回復施策として13店舗の閉店を実施する影響から、利益率の回復はやや遅れる格好となる。同社では前述した施策を進めていくことで、当面は営業利益率3%台の回復を目標としていく方針だ。

3. 健全性、効率性指標
財務の健全性について見れば、大手2社の自己資本比率が50%以上で推移しているのに対して、 同社は30%台とやや低水準となっている。これは同社の有利子負債依存率 (有利子負債÷総資産) が高いことが主因となっている。直近四半期の水準で見ると、ヒマラヤは2016年11月末で25.7%と大手2社 (2016年12月末でアルペン13.2%、ゼビオ0.2%)に対して格差があり、その差が自己資本比率の差となって表れている。ただ、有利子負債の水準そのものは健全な水準であり、自己資本比率も上場企業の中で見れば極端に見劣りするわけではない。

株主資本効率の観点で見れば、ROEはここ数年、大手2社が低下傾向となっているのに対して、同社は8%前後の高い水準を維持してきたが、2015年度については収益悪化や特別損失を計上したこともあり、同社もマイナスに転じた。しかしながら、今後も財務レバレッジを効かせた経営を継続していくことから、収益が回復すればROEの水準も再び大手2社を上回るものと予想される。

4. 株価指標
主な株価指標を見ると、2016年度予想PERに関してはアルペンが40倍台となっているが、ヒマラヤとゼビオは20倍前後と、東証1部上場企業平均の約15倍に対して若干上回る水準となっている。一方、PBRについては3社とも0.7倍台の水準で、上場企業平均の1.2倍を下回り、 解散価値である1倍も下回る水準となっている。ここ数年の収益低迷や市場環境の悪化が株価に反映されているものと考えられる。

同社においては今後3年間を成長に向けた事業基盤の構築期間と位置付けており、着実に収益を拡大していく戦略を推進していく方針となっている。新業態の開発も含めて計画どおりに進めば、現在低迷している株価についても見直されるものと考えられる。当面は月次売上状況の動向が注目されるが、3月以降は閉店の影響で全店ベースでの伸び率がマイナスに転じる可能性もある。ただ、今下期のヒマラヤの売上計画は前年同期比で2%減を想定しており、同水準を下回らなければ、収益回復期待も高まってくるものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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