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冨士ダイス Research Memo(6):持続的成長を目指し、業務効率化を進め国内市場の深耕、海外売上拡大を目指す
2017年7月14日 / 07:24 / 3ヶ月前

冨士ダイス Research Memo(6):持続的成長を目指し、業務効率化を進め国内市場の深耕、海外売上拡大を目指す


*16:15JST 冨士ダイス Research Memo(6):持続的成長を目指し、業務効率化を進め国内市場の深耕、海外売上拡大を目指す
■中長期の成長戦略

1. 業務効率化
冨士ダイス6167はこれまで、顧客に対するきめ細かい受注・生産体制を実行するために、積極的に生産拠点づくりを実行してきたが、国内においては物流網の発達による配送時間の短縮化、IT化による情報ネットワークの拡充などから、国内製造部門における生産特性を考慮した製品、生産拠点の集約、再構築に着手した。具体的には熊本製造所に3年間で19.8億円を投入、新工場を建設し、門司工場の複雑形状生産を統合し複雑形状生産ラインの増強を行うとともに、門司工場の汎用品生産も他工場に移し、門司は営業所機能を残し生産活動を終了した。2017年5月に生産ラインの移設が完了、今後、熊本新工場の成果を検証しながらその他国内工場の再編を進める方向にある。同社はIT化による情報一元化やロボット導入による自動化ラインの構築、さらには拠点集約・再構築などで生産効率10%以上の改善を目指す。

また国内営業拠点についても、16ヶ所から13ヶ所に集約、業務効率化を進めている。

2. 成長分野への注力し新製品群も豊富に抱える
同社は成長分野への研究、開発に注力することで、高付加価値な製品売上の拡大を目指している。具体的には次世代自動車開発、航空・宇宙、医療・化粧品、環境・エネルギー、その他新素材開発などである。

会社側では成長分野の進捗状況を開示しているが、具体的にサンプル出荷を始めたものや、実際に販売を始めたものも多い。

(1) モーター用抜き金型
現在、PHEVやEVにおいて、高性能な動力源として細かな制御ができ、高出力のメインモーターの需要が高まりつつある。日本では永久磁石を利用したACが利用されているが、高出力化のためにモーターコアの薄型化と積層数の増大、さらには鉄心ロスを減退するための高精度化が求められている。このような中で、同社は耐摩耗性を維持しつつ、耐チッピング性(はく離しにくい性質)を向上させた金型用新素材を開発、モーターコアを製造するユーザーにサンプル出荷を始めている。世界的にEV需要が本格化するなかで、潜在的な需要が大きい分野として期待が高まる。

(2) 過給器用機械部品
自動車分野では自動車の低燃費化ニーズと加速性の両立を図るため、ターボチャージャー搭載車種が増加している。このような中で、過給器に利用される軸受の高性能化に向けた開発を進め、こちらもサンプル出荷中である。過給器は日系メーカーが強い分野でもあり、採用となれば部材供給となるだけにインパクトは大きいとみられる。

(3) 赤外線レンズ用金型
同社は光学レンズ用超微粒超硬金型で高い納入実績を有しているが、肉眼では認識できない赤外線波長を利用し、防犯目的の監視や防災の分野、さらには自動運転分野での赤外線レンズ利用が進みつつある。赤外線レンズは透過率が高いゲルマニウムが理想的だが、高価で加工も難しく、成形加工できる金属物質合成のカルコゲナイド代替素材が注目されている。特殊な材料のため、レンズ用金型素材も様々なノウハウが必要で、同社はいち早くこれに対応、現在、性能評価の段階まで進んでいる。次世代の社会システムを支える分野だけに大きな市場が見込まれる。

上記の他にも様々な開発案件を抱えており、これらの刈り取りにより、今後も着実な企業成長が見込まれる。

3. 海外売上高の拡大
同社はこれまで、多品種少量生産、受注生産直販システムを売り物として、国内での確固たる顧客基盤のもとで成長を享受してきたが、今後の成長のためにはグローバル展開が必要不可欠となる。同社の海外売上高推移では2013年3月期から2015年3月期までは順調な拡大を示したものの、ここ3期間は伸び悩んでいる。その背景には中国の製造業の過剰設備投資の見直し、ASEAN地域での自動車生産などの伸び悩みなどが影響している。また同社が得意としている超精密、耐摩耗性能を必要とする顧客が必ずしも育っておらず、しかも国内ヘの発注で実際は海外で利用されている事例も多いようで、実質的な海外売上比率は20%程度に達しているものとみられる。

現在、同社はタイとインドネシアにおいて現地生産を行っている。タイについては単純形状に加えて、複雑形状製品の製造も行うべく設備の増強を行っている。またインドネシアについては単純形状製品での拡大を続ける方向で、海外でも生産特性を生かして事業拡大を進める方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)


《TN》

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