キリンとサントリーの統合交渉、FA選定は混戦模様に
[東京 14日 ロイター] キリンホールディングス(2503.T: 株価, ニュース, レポート)とサントリーホールディングス(大阪府大阪市)が経営統合を検討していることが13日明らかになったことで、ファイナンシャル・アドバイザー(FA)の選定をめぐる証券会社の動きがあわただしくなりそうだ。
両社が過去5年間に行った合併・買収(M&A)をみると、FAの使い方は特定の証券会社に集中せず、案件ごとに選定する姿がうかがえる。それだけに1兆円を超える可能性のある今回の案件のFAの座をめぐっては、幅広い証券会社に門戸が開かれていると言え、激しい争奪戦が繰り広げられそうだ。
両社の統合検討の報道を受け、証券会社のM&A担当者の間では「FAはどこ」、FA選定のための「ビューティーコンテストはいつ開催されるのか」などの思惑が駆け巡った。両社が経営統合で合意すれば、金額は1兆円を超える大型案件となる可能性があり、FAに選定されるか否かが、2009年のM&Aリーグテーブルの順位を大きく左右するためだ。
両社と距離が近いとされる三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T: 株価, ニュース, レポート)の関係者は13日、キリンからもサントリーからも連絡を受けていなかったと、両社のトップ主導で進んだ話に驚きをみせた。同日朝、自社のM&A担当者に対してFA起用に向け「適切に対応するよう指示を出した」と話した。
あるM&A担当者は、キリンが株式を上場している一方でサントリーは非上場という違いのほか、キリンがグループの中に上場子会社を抱えること、また、両社の事業が多岐に広がっていることも、ディールの複雑さを示すと指摘。「何十年かに一度の話なので政治的にも多くの人が動き、FA選定も教科書通りにいかないのではないか」と警戒する。
キリンとサントリーはこれまでM&A(資本提携を含む)を行う際、どのような証券会社をFAに使ってきたのか──。トムソン・ロイターによると、キリンの過去5年のM&Aで最大の事例となる豪ライオンネイサンの買収では、JPモルガン(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)とドイチェバンク(DBKGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)をFAに起用した。フィリピンのビール大手サンミゲル買収では、野村証券を採用。協和発酵の買収では、JPモルガンと日興シティグループ証券がFAとなった。
キリンの広報担当者はFAの選定基準について「臨機応変にいろいろなところを使う」と話し、特定の証券会社に依存するのを避けている。キリンは社内にM&Aを担当する専門の部署を持っており、案件を自力で手掛けたうえで「(FAに)仕上げを手伝ってもらったり、最後にアドバイスしてもらったりするケースも多い」(広報担当者)という。
サントリーもFAとの付き合い方は、全方位外交の姿勢だ。仏ダノン(DANO.PA: 株価, 企業情報, レポート)からニュージーランドの飲料大手フルコアを買収した際はモルガン・スタンレーを採用。タイの飲料メーカー、ティプコF&Bに出資した際のFAは大和証券SMBCと、ケースバイケースだった。 続く...













