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S&PがCMBSを格下げ、TALFに影響も
2009年7月15日 / 05:47 / 8年後

S&PがCMBSを格下げ、TALFに影響も

 [ニューヨーク 14日 ロイター] 米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)が大量の商業用不動産ローン担保証券(CMBS)を格下げしたことで、連邦準備理事会(FRB)のターム物資産担保証券ローンファシリティー(TALF)に悪影響が出るのではないかとの見方が強まっている。

 S&Pは14日、格付け評価手法の変更に伴い、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、クレディ・スイス、ワコビア・バンク、モルガン・スタンレーが組成したCMBSを格下げした。これにより、TALFの適格担保となるCMBSが減少したことになる。

 FRBは今月から、既発(レガシー)CMBCをTALFの担保として受け入れる。申し込み期限は16日となっている。

 S&Pの格下げを受け、CMBS市場ではスプレッドが拡大。「CMBX08─1 AAA」指数は、約2ポイント安の73.38に下落した。

 アビバ・インベスターズのストラクチャード商品ポートフォリオマネジャー、ビル・ベミス氏は「TALFの対象となるはずだったCMBSの約3分の1が対象から外れたとみられる」と述べた。

 一部のCMBSは大幅に格下げされた。例えば、ゴールドマンのCMBSは、2007年組成のAAA格5証券が「BBBマイナス」に、同2証券が「BB」と「Bプラス」にそれぞれ引き下げられた。

 ゴールドマンの4─6月期決算は予想を上回ったが、商業用不動産ローンでは約7億ドルの損失を出している。

 TALFは、新発・既発のCMBSを担保として受け入れるが、AAA格であることを条件としている。

 ある債券トレーダーは「S&Pの格下げは、きょうのCMBS市場の重しとなり、スプレッドの拡大を促した」と指摘した。

 CMBSのスプレッドは6月中旬以降、700ベーシスポイント(bp)付近の狭いレンジで推移している。S&Pが格付け手法の変更を発表した際には一時900bpを超えたが、ディーラーの間で投資家向け証券化商品の組成需要があり、その後スプレッドは縮小した。

 商業用不動産ローンは急速に不良債権化が進んでいる。今後、資金調達コストが下がらなければ、デフォルトの増加、担保物件の差し押さえ、物件価格の低下という悪循環が長期化するおそれがある。

 FRBは今月、7月2日以降に取引実績のあるCMBSをTALFの担保として受け入れると表明。担保対象が一段と限定されることになった。 

 ベミス氏は「FRBが取引実績の規定を盛り込んだため、(TALF申し込み期限までの)あと2日でどの程度CMBSの取引が増えるか興味深い。ただ、取引はあまり膨らまない可能性が高い」と指摘。

 「担保条件が変更される余地が残っており、今月はTALFの利用を見送り、8月から利用する投資家が増えるのではないか」と述べた。

 (ロイターニュース 原文:Nancy Leinfuss、翻訳:深滝壱哉)

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