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日銀のETF購入、下支え効果の一方で市場の活力削ぐ副作用も
2011年4月20日 / 04:20 / 7年前

日銀のETF購入、下支え効果の一方で市場の活力削ぐ副作用も

 [東京 20日 ロイター] 日銀が追加緩和策の一環として昨年12月から開始した指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れは、心理的な下支え効果について一定の評価を受けているが、一方で中途半端な買い支えはボラティリティを低下させ、マーケットの活力を削ぐという副作用もある。売買高低迷が続けば、結果的に株価の上値が重くなるとの指摘も出ている。

 4月20日、日銀の指数連動型上場投資信託の買い入れは、心理的な下支え効果について一定の評価を受けているが、一方でマーケットの活力を削ぐという副作用もある。写真は日銀本店。7日撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)

 日銀は19日、資産買い入れ基金を通じて株価指数連動型のETFを184億円購入したと発表した。昨年12月の買い入れ開始後、ETFの購入は16回目で、買い入れ総額は2594億円となった。昨年10月に打ち出した資産買い入れ基金で、4500億円に決まったETFの買い入れ規模は、3月11日に発生した東日本大震災後の金融政策決定会合で9000億円まで拡大している。19日までに買い入れ枠全体の28.8%を消化したことになり、買い入れは順調なペースで進んでいるといえる。

 日銀は過去にも株式を買い入れ政策を実施したことがあるが、それは金融機関が保有する株式を間接的に買い取るという手法だった。日銀が直接市場に介入するのは今回が初めて。買い入れ基金増額後の記者会見で白川日銀総裁は「金融市場参加者のリスクテーク姿勢に好影響を与えることを期待している」と述べたが、実際に日経平均は3月15日に付けた8227円を底値として反騰相場に入った。「もともと買い上がるような性質の資金ではないが、心理的な下支えとしての効果は大きかった」(SMBC日興証券・国際市場分析部部長の小林久恒氏)と評価する声が出ている。

 野村証券投資調査部ストラテジストの阪上亮太氏は「東証の時価総額を考えれば市場へのインパクトは限定的だが、傾向としてTOPIXが1%以上下落した日に買い入れることが多い。リスクプレミアムの低下を促すという狙いは必ずしも達成されていないが、弱気ムードが広がるタイミングで買いを入れるスタンスを明確にしているため、市場参加者とって安心感につながる」と指摘している。

 ただ、日銀によるETF買い入れはポジティブな側面だけではない。株式市場の売買高低迷の一因になっているとの見方もある。「前日も外部環境が悪化する中で日本株は不自然に下げ渋った。日銀のETF買い観測が浮上し、短期筋が売りを手控えたためだ。中途半端な買い支えはボラティリティを低下させ、マーケットの活力を削いでしまう」(準大手証券トレーダー)と懸念する声が出ている。19日の東証1部の売買代金は1兆1610億円と今年3番目の低水準だった。

 1990年のバブル崩壊後、PKOと呼ばれる株価維持政策が当局によって何度か行われてきたが、明確な効果があったという評価は聞かれない。需給のゆがみから売買高を伴わないレンジ相場が長期化すれば、結果的に株価回復を遅らせるリスクもある。

 (ロイターニュース 河口 浩一;編集 伊賀大記)

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