Reuters logo
「動物の宗教的な食肉処理」禁じる法案、オランダ下院が可決
2011年6月29日 / 05:54 / 6年前

「動物の宗教的な食肉処理」禁じる法案、オランダ下院が可決

 [アムステルダム 28日 ロイター] オランダ下院(第2院)が28日、儀式的な動物の食肉処理を禁じる法案を116対30の賛成多数で可決した。法制化には上院(第1院)での可決が必要となるが、宗教の自由が侵害されるとしてイスラム教徒やユダヤ教徒の反発が強まっている。

 同法案は、動物愛護を掲げて国会での議席を獲得した欧州で最初の党となる動物愛護党が提出。法案では、家畜を食肉処理する前に失神させることを義務付けており、意識のある家畜を処理するイスラム教やユダヤ教の規定に反する内容となっている。

 動物愛護党の党首は採決前の演説で「(意識のある家畜の処理は)動物に不必要な痛みを与える。宗教の自由は無制限というわけにはいかない」とし、「宗教の自由とは、人間や動物に痛みを与える時点で制限されるもの」と主張した。

 一方、オランダのイスラム教とユダヤ教のコミュニティーは同法案について、宗教の自由を侵害するとしてそろって反対している。

 オランダのユダヤ教宗教指導者はロイターに対し、「第二次世界大戦を経験した人は、当時ドイツ人がオランダで最初に制定した法律が、ユダヤ教の規定に沿った動物の食肉処理を禁じたものだったことを覚えている」とし、ユダヤ人コミュニティーにとって法案はつらい内容であると発言。ロッテルダム・イスラム大学のUca Octay氏は「ハラール(イスラム教の規定にのっとった食物)の肉を近隣の国から輸入するか、別の方法を考えなければならない」と述べた。

 人口約1600万人のオランダには、約100万人のイスラム教徒と、約4万人のユダヤ教徒がいる。

 オランダの統計によると、同国では年間5億の家畜が食肉処理されており、このうちイスラム教やユダヤ教の規定に則って処理される数は120万という。

 欧州連合(EU)の規定では、処理前に家畜を失神させるよう求めているが、儀式的な食肉処理については欧州人権裁判所が宗教の自由を保護する判断を下し、例外が認められている。

 EUでは、ルクセンブルク、ノルウェー、スウェーデン、スイスの各国が儀式的な食肉処理を禁止しており、スイスの動物愛護団体と極右政治家は「ハラール」と「コーシャー」(ユダヤ教の規定にのっとった食物)の肉の輸入禁止を求めている。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below