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米FRBの大胆利下げ、市場の追加利下げ観測強まる
2007年9月20日 / 07:00 / 10年前

米FRBの大胆利下げ、市場の追加利下げ観測強まる

 [シカゴ 19日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)が18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の大幅利下げに踏み切ったことを受け、クレジット問題と住宅市場の冷え込みで傷ついた米経済を支援するため、FRBがさらなる利下げを実施するとの観測が強まっている。

 9月19日、米FRBが0.50%の大幅利下げに踏み切ったことを受け、住宅市場の冷え込みなどで傷ついた米経済を支援するため、FRBがさらなる利下げを実施するとの観測が強まっている。写真は18日、米カリフォルニア州で撮影(2007年 ロイター/Mike Blake)

 FOMCは2003年以来初めてとなる利下げで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準を5.25%から4.75%に引き下げた。

 米短期金利先物市場は10月の次回FOMCで追加利下げが実施される確率を76%と織り込み、その後2008年年央までにFF金利は4─4.25%に低下すると見込んでいる。

 ただFOMCが今後も18日のような積極的な手を打ち続けていくとすべてのアナリストが確信しているわけではない。三菱東京UFJ銀行の首席金融エコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「10月に25ベーシスポイントの引き下げを予定しておくのはいいが、実現のためには労働市況が弱含んでいることを示すデータが必要だ」と指摘した。

 FRBは18日の決定に際し、過去1カ月間の信用状況の厳格化と住宅市場の調整が深刻化する可能性に触れ、経済見通しの「不透明感」を利下げの理由に挙げた。

 FRBの動きを手掛かりに、多くの投資銀行や大手債券市場ディーラーが先行きのFF金利と経済成長率についての予想を引き下げた。ゴールドマン・サックスのエコノミスト、エド・マッケルビー氏は「現在われわれは実質国内総生産(GDP)伸び率が第4・四半期から年率1─1.5%に落ち込み始め、それが来年半ばまで続くと予想している」と述べ、FF金利は08年早々に4%に低下する可能性もあるとの見方を示した。

 リーマン・ブラザーズも経済成長率とFF金利の予想を下方修正した。FOMC開催前は、来春のFF金利を4.75%と予想していたが、現在は4%に低下すると見込んでいる。リーマンの米国担当首席エコノミスト、イーサン・ハリス氏は顧客向けの調査ノートで「住宅およびクレジット市場にかかるストレスを調べれば調べるほど、先行きの成長率引き下げに傾いていく。来年の成長率は第4・四半期対比で2.1%から1.6%に下方修正した。これは個人消費、住宅建設、企業の固定資産投資の引き下げを反映している」と述べた。

 メリルリンチはFF金利が08年第2・四半期までに3.5%に低下する可能性があるとみている。

 また、全米最大の債券ファンド、ピムコはFF金利が3─3.25%まで下がることもあり得ると予想している。

 BNPパリバは18日の利下げについて、FRBが、緩やかなGDP伸び率という自身の見通し面で「ひどく後手に回った」ことに気が付いたことを示していると指摘する。BNPの上級エコノミスト、リチャード・アイリー氏は「経済成長見通しの議論に関する最新の声明文とそれまでの声明文との違いはとりわけ鮮明だ。FRBの措置は、信用状況の厳格化が経済に与えるマイナス影響を『ある程度』相殺する助けにはなるが、明らかにすべては補えないとしか読めない」と述べ、08年の成長率は2%よりも1%に近くなる可能性が高いとの見方を示した。

 <一部地区連銀には異論か>

 18日のFF金利の誘導目標水準引き下げは、投票権のあるFOMCメンバー10人の全会一致の決定だったが、12地区連銀のうちアトランタ、シカゴ、ダラス、フィラデルフィア、リッチモンドの5地区連銀には異論があったかもしれない。

 FRBはFF金利を引き下げると同時に、残りの7地区連銀が要請していた公定歩合の0.50%引き下げを承認した。これは要請を上げなかった5地区連銀が今回のような大胆な措置の必要性を感じていなかった可能性を示唆している。

 ただリッチモンド、アトランタ、ダラスの3地区連銀は19日に7地区と共同歩調をとり、FRBはこれら3地区連銀からの公定歩合引き下げ要請を承認した。

 最初に沈黙していた5地区連銀のうちの2地区連銀は、総裁が来年のFOMCの投票権を有するメンバーとなる。ダラス地区連銀のフィッシャー総裁とフィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁だ。

 FOMCは声明文で「インフレ動向を引き続き注意深く監視していく」と表明した。アナリストの多くはこの表現について、異議の芽を摘む中央銀行の決まり文句だと軽視しているが、経済を覆っている不透明感を考慮して最大限の自由度を確保するための一文だとみる向きもいる。

 FTNフィナンシャルの主任エコノミスト、クリス・ロウ氏は「インフレ警戒は、FRBにどちらの方向へも動ける自由裁量を与える。もし信用収縮が長引くか、経済がさらに下振れし、あるいはその両方が同時に進行するようであれば追加利下げがあるだろう。スプレッドが縮小しマネーマーケットの障害が除去されれば、FRBは緩和を保留する可能性がある。そのどちらも起こらない場合には何もしないかもしれない」と述べた。

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