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日銀総裁会見:識者はこうみる
2007年10月11日 / 09:17 / 10年前

日銀総裁会見:識者はこうみる

 10月11日、福井俊彦日銀総裁は11日、金融政策決定会合後の記者会見で、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に関連し、海外経済や国際金融市場にはまだ不確実性があるとの認識を示した(2007年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 [東京 11日 ロイター] 福井俊彦日銀総裁は11日、金融政策決定会合後の記者会見で、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に関連し、海外経済や国際金融市場にはまだ不確実性があるとの認識を示した。市場関係者のコメントは以下の通り。

●特段材料は見当たらず、月並み

 <みずほコーポレート銀行外国為替部調査役 時田 剛氏>

 福井総裁の発言に特段材料は見当たらず、月並みという印象だ。8月の金融市場の信用収縮で、市場の不安定要因は今なお払しょくされていない。また、福田康夫首相が就任し、まだ政権運営が安定しないなか、日銀がタカ派的なメッセージを送ることで日本発の市場の混乱を引き起こしたくないという思いが福井総裁にあるのではないか。

 次回の日銀金融政策決定会合で、日銀が利上げに踏み切るかどうかの姿勢は読み取れなかったが、年内は難しいだろう。

●会合のなぞ解きへ

<東海東京証券・債券ディーリング部長 有麻智之氏>

 福井日銀総裁が会見で、海外経済や国際金融市場に不確実性があると明確に指摘した。発言内容はこれまでの強気なトーンが影を潜め、全体的にソフトタッチ。しかも、会合の結果公表が午後1時半過ぎと遅くなったことに対する言及が見られず、金利市場は反応しにくい。

 日銀は金融政策決定会合で現行の政策維持を8対1の賛成多数で決定した。しかし、会合結果公表が長引いたことで、市場にはかなり深い議論がされたのではないかとの思惑が浮上している。市場では、議事要旨が公表されるまで、そのなぞ解きが続くのだろう。

●株式市場の年内利上げ見通しは後退

<SMBCフレンド証券 投資情報部次長 松野 利彦氏>

 決定会合の内容が前回と同じく水野温氏委員の反対1人で金利据え置きだったうえ、福井俊彦総裁会見も、前回より強気なトーンが後退しており、株式市場の年内利上げ見通しはかなり後退しそうだ。

 前回の会見では、追加利上げに意欲的なニュアンスが出ており、今回も同じトーンであれば年内利上げ観測が依然としてくすぶっただろうが、これで次回31日の決定会合も利上げは見送りとの見方が強まるだろう。ただ全体的に予想の範囲内といえ、株式市場の材料にはならないとみている。

 個人的には追加利上げがあるとすれば来年2月とみている。

●金利正常化シナリオ崩さず

<ABNアムロ証券・シニアエコノミスト 西岡純子氏>

 欧州中央銀行(ECB)などの海外中央銀行が先行きに対する警戒を強めるなか、慎重さのにじむ発言があってもよかったが、総じて強い見方を維持している。金利正常化シナリオは崩しておらず、あくまでも目線は利上げに向かっているとの評価が可能だ。

 ただ、金融市場の本格的な回復にはなお時間がかかるとしたほか、米景気の減速リスクはさらに見極めが必要とのスタンスを強めている面もある。目先すぐの利上げを示唆しているとは考えられない。

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