薬品株に武田ショック、新薬開発リスクを強く意識
[東京 30日 ロイター] 薬品株に「武田ショック」が走った。武田薬品工業(4502.T: 株価, ニュース, レポート)の次期主力商品として期待されていた開発中の高コレステロール血症治療薬に、米当局から「待った」がかかったためだ。個別のネガティブ要因にとどまらず、新薬開発におけるリスクとして市場は強く意識。
30日の薬品セクターの株価は平均で6%近く下落した。
<日本の医薬品メーカーの新薬開発力に疑問符>
医薬品セクターの30日の値下がり率(東証業種別)は5.9%と2位の海運セクター(2.66%)の倍近くに達した。下落を主導する形となった武田薬品工業は12.41%下落し、日経平均を約41円押し下げた(日経平均の下げ幅は47円)。
武田は29日、米食品医薬品局(FDA)が、同社が高コレステロール血症治療薬として開発中の「TAK─475」に追加臨床試験実施を要求するともに、高用量試験の中止を推奨したと発表。市場からは「追加臨床試験を実施するなら2年程度、承認申請が遅れる可能性がある。糖尿病治療薬アクトスの特許が切れる2011年以降の大型薬として期待されていただけに、株価には大きな影響があるとみている」(外資系証券アナリスト)との声が多く出て、朝から売りが殺到しストップ安となった。
「地雷原が潜んでいた」──ある欧州系証券の情報担当者は今回の「武田ショック」についてこう表現する。業績が堅調でディフェンシブ銘柄としても評価の高かった薬品株に思わぬ落とし穴があったというわけだ。武田個別の材料にとどまらず「日本の医薬品メーカーの新薬開発力に疑問符が付けられてしまうネガティブなニュースだ」(UBS証券アナリストの志村裕久氏)との声も出ている。
第一三共(4568.T: 株価, ニュース, レポート)と米医薬品大手イーライ・リリー(LLY.N: 株価, 企業情報, レポート)が25日(日本時間)に、心臓病の治療などへの適用が期待されている大型新薬の抗血小板プラスグレルに関する2本の小規模臨床薬理試験(第二相臨床試験)について、プロトコル(手順)の修正が終了し承認が得られるまで試験を延期すると発表していたことも「市場にショックが広がる土壌としてあった」(国内証券情報担当者)との指摘も出ていた。
また30日にはエーザイ(4523.T: 株価, ニュース, レポート)が、世界初の経口AMPA受容体拮抗剤を目指して開発を進めている「E2007」について第一番目の適応として2007年度中に欧米で申請を予定していたパーキンソン病適応の申請時期を08年度第4・四半期に遅らせると発表したこともあり、マーケットは強く新薬開発リスクを意識することになった。 続く...












