サブプライム問題、焦点はヘッジファンドの損失処理へ=草野グローバルF

2007年 12月 3日 13:24 JST
 

 [東京 3日 ロイター] サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題を背景に欧米金融機関本体の損失処理が続いているが、草野グローバルフロンティア・代表取締役の草野豊己氏は来年の展開について、問題が関連のSIV(ストラクチャード・インベストメント・ビークル)からヘッジファンドの損失処理に向かうと指摘。混乱は、SIVの発行するABCP(資産担保CP)に投資していたMMFや、CDO(債務担保証券)など証券化商品に保証をつけていたモノライン(金融保証)保険会社に飛び火する可能性もあり、サブプライム問題はさらに混迷の度を深めるとの見解を示した。1日に都内で開かれたセミナーで述べた。

 <SIVの連結処理、一部銀行にとって重荷の可能性> 

 欧米金融機関は、サブプライムローン問題の関連損失について、引当金計上を進めている。だが、この本体での処理に加え「問題になりつつあるのが関連SIVの処理」(草野氏)だ。多くは銀行本体のバランスシートに載っていないため、連結させて本体勘定に取り込むべきだという議論が米国内で出てきている。

 米シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)などはサブプライム対策基金の設立を目指して動いているが、一方で英HSBCホールディングス(0005.HK: 株価, 企業情報, レポート)(HSBA.L: 株価, 企業情報, レポート)は傘下のSIVをバランスシートに取り込んで救済すると発表したことで、草野氏は「SIV処理の流れはこちらに傾く可能性がある」とみている。この場合、本体による短期的な処理を迫られる可能性があり、個別行によっては厳しい処理になるかもしれないという。

 その後に控えているのが、ヘッジファンドの処理だ。草野氏によると、CDOの投資家別内訳のうち、半分近くをヘッジファンドが保有しており、しかも保有するCDOのうち約4割が安全度が一番低いエクイティ。このため「SIVより損失処理が厳しいケースも多いのではないか。欧米大手金融機関10社のヘッジファンド向け融資は3兆ドルと、自己資本の約7倍に積み上がっており、ヘッジファンドの損失処理は金融機関の財務に大きく響く可能性がある」(草野氏)という。

 <モノライン保険会社やMMFにもリスク>

 草野氏は、モノライン保険会社の動向にも注意が必要だと指摘。「地方債のほか、資産担保証券や住宅ローンなどにも保証をつけているため、大規模な債務不履行が起きたときにカバーできるかどうかが問題になる」とみている。モノライン保険会社がトリプルAの格付けを失えば「保証対象の債券も格下げされ、破たんすれば保証していた債券の保証は消える」という構図になっていると草野氏は説明する。

 さらに比較的安全性が高いとみられてきたMMF(マネー・マーケット・ファンド)に問題が波及する可能性もある。「MMFはSIVが発行した短期証券に投資しており、その中にはすでにデフォルトしたものもあるようだ」と、草野氏は述べた。  続く...

 
 

ロイターオンライン調査

写真

デフレ環境下で急速な円高が進み、「ドバイショック」も加わった。「日本株は売り材料ばかりで、八方ふさがりだ」との声も。  ブログ