与党税制改正、証券優遇の限度額で市場に懸念も
[東京 13日 ロイター] 自民・公明の与党税制協議会は、証券優遇税制の軽減税率について、株式と投資信託にかかる譲渡益と配当(分配金)収入に限度額を設けて存続することで合意したが、軽減税率が打ち切られる投資家は富裕層だけではないとみられ、市場への影響が懸念されそうだ。
一方で、2009年1月から譲渡損失と配当の損益通算を開始することを明確化し、利子と合わせた金融一体課税に道筋をつけたことに一定の評価が出ており、公社債の利子だけでなく、預貯金の利子との損益通算導入が視野に入ってきた。
<元本1000万円の利回り10%で軽減打ち切り>
証券優遇税制は「貯蓄から投資への流れは道半ば」と主張する金融庁と証券界が2008年度税制改正で存続を要望したが、7月の参院選で民主党が圧勝したことを背景に、野党だけでなく公明党など与党の一部から「金持ち優遇」批判が台頭。金融庁ら存続派はこうした批判に押されたまま「妥協せざるを得ない」(渡辺喜美金融担当相)として、年間の利益に限度額を設けて存続することで決着した。
「金持ち」の水準とされる年間の限度額は、金融庁が「譲渡益3000万円」の見直し案を提出したが、公明党の強い反発を受けて引き下げに向かい、譲渡益は500万円・配当は100万円に落ち着いた。限度額を超える譲渡益と配当には2009年1月から本則の20%の税率が適用される。
このため元本1000万円の投資信託を運用する年金生活者が、月に9万円の分配金を受けとると年間で108万円の配当が入ることになり、100万円を超える8万円分は、軽減税率の対象にならなくなる。
金融庁のある幹部は「フロー所得がなくて年金と資産所得で生活する層を金持ちといっていいのかどうか」と疑問の声を漏らす。譲渡益についても、株式だけでなく、投信やREIT(不動産投資信託)の年間合計で、市場環境が好調なら「富裕層でなくても超過することは起こりうる」(市場関係者)との見方が出ている。
<20%は申告課税、納税負担の危惧も> 続く...












