日銀総裁人事は入り口で混迷、政府は複数案提示に難色

2008年 01月 25日 19:54 JST
 

 [東京 25日 ロイター] 福井俊彦日銀総裁の後継総裁選びが、入り口の手続き論で迷走している。カギを握る民主党が政府に複数案の提示を求めているのに対し、政府部内からは複数案提示を受け入れる声は出てこない。「複数案の提示は、任命権の放棄にも近い」(政府筋)との声さえある。

 23日の衆参両院の議院運営委員長会談で、日銀総裁の国会同意が遅れ、空席が生じる事態は回避することで認識は一致したと伝えられるが、先行きは依然として混とんとしている。

 さらに福田康夫首相と小沢一郎民主党代表との党首会談で最終決着を目指すとの一部報道で、今度は公明党の太田昭宏代表がかみついた。太田代表は25日に「現在、(国会同意人事に関する)仕組みが議院運営委員会中心にある。いきなり自民党と民主党の党首会談ではなく、国会同意は各党にかかわるから、そこで同意が得られることが大事ではないか」と述べ、自民・民主の党首会談に反対する考えを示している。

 党首会談について福田首相は完全否定しておらず、可能性が残るため、連立を組む公明党の意向が反映されない事態に待ったをかけたとみられる。

 民主党の大塚耕平参院政審会長代理は23日のロイターとのインタビューで、複数案を求める意図について、1人だけ候補者として提示されればイエスかノーかを伝えるだけで「それは協議ではない」と述べている。「空白」を作らないことも党の方針として確認されており、空席期間が生じるか、そのカギを握るのは政府・与党の対応次第だともいう。

 政府は総裁候補として武藤敏郎副総裁を軸に検討を進めているもようだが、財政・金融の分離などを前提に民主党内には異論もある。「与野党がお互いに納得した候補を選ばなければ、新体制での金融政策運営はけちの付け合いになる」(与党幹部)との懸念も聞かれ、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題を背景に金融・資本市場の混乱が続く中で、与野党間の建設的な議論がこの先、どうなるかも人事を大きく左右しそうだ。

 (ロイター日本語ニュース 吉川 裕子、伊藤 純夫)

 
 
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