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米追加利下げでも信用不安は後退せず、ドルには依然売り圧力
2008年1月31日 / 07:28 / 10年前

米追加利下げでも信用不安は後退せず、ドルには依然売り圧力

 1月31日、米FRBが50bpの追加利下げに踏み切ったものの、米スワップ・スプレッドが高止まるなど信用不安の後退にはつながっていない。写真は2005年8月、ジャカルタの両替所で撮影した米紙幣(2008年 ロイター/Beawiharta BEA)

吉池 威記者

 [東京 31日 ロイター]  米連邦準備理事会(FRB)が50bp(ベーシスポイント)の追加利下げに踏み切ったものの、米スワップ・スプレッドが高止まるなど信用不安の後退にはつながっていない。

 2月には欧州系金融機関の決算発表があり、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題を発端とする金融市場の混乱がさらに広がる可能性も指摘され、一段の追加利下げ観測が早くも出ている。リスク回避の円買いや米金利の優位性の低下からドル相場には下押し圧力がかかり続ける、との見方が多く、105円割れが依然意識されている。

 FRBが50bpの追加利下げを実施、さらに声明で今後一段の利下げに含みを残したことで、為替市場でドルは対主要通貨で売られた。ドル/円は107円割れに下落、ユーロ/ドルは1.48ドル近辺から一時1.49ドルに上昇した。その後、米株価について利下げの効果が続かないとの懸念からドル/円は106円台前半に下値を切り下げた。

 みずほコーポレート銀行国際為替部次長の竹中浩一氏は、50bpの追加利下げに関して市場の期待に応えたと評価しながらも「22日の75bpの緊急利下げと合わせ、わずか1週間あまりで125bpの利下げを実施したことで、かえって米経済の現状や先行きの懸念が強まったのではないか」と述べている。

 実際、FRBが利下げを実施しても、信用不安の低下につながっていない。

 米2年物のスワップ・スプレッドは、利下げ前の30日は68bp付近だった。31日午後の時点で69bp付近で推移しており、利下げにもかかわらず拡大しており、金融機関の信用力が低下した状態が続いていることが示されている。2月に入ると、欧州系金融機関の決算が相次いで発表される。市場では「被害が広がる可能性がある」(証券)との声も出る。

 みずほコーポの竹中氏は「早くも次回(3月)の25bpの利下げが織り込まれ始めているが、これから発表される経済指標で悪化が続くようであれば50bp利下げの可能性も否定できない」とし、今回の利下げでは不十分との見方を示す。ロイヤルバンク・オブ・スコットランドのヘッドオブFXストラテジー、山本雅文氏は「3月に50bp、4月に25bpの追加利下げがある」との見方を示す。

 ドル/円相場に関して、モルガン・スタンレー証券為替本部ヴァイスプレジデントの小川統也氏は「105―108円を下抜けるには2月1日発表の米雇用統計を見極める必要があるが、最近の為替相場をリードしているクロス円は、売りポジションがいったん切らされ、買いポジションの維持も困難だ」と指摘。そのうえで雇用統計が予想を下回るような内容なら、ドルは105円を割り込むだろう」との見方を示す。

 みずほコーポの竹中氏は「3月までのドル/円の値動きとしては、一時的に円高に振れるが、101円のチャートポイントが意識されるため、100円を割り込むことは考えにくい。105―107円をコアとしながら100円―110円のレンジで推移すると見ている」と指摘する。

 (ロイター日本語ニュース 吉池 威記者 編集 橋本浩)

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