1月貿易収支はデカップリング確認、輸出の先行きに強い警戒感
[東京 21日 ロイター] 1月貿易統計では、米国向け輸出の減少を、他地域向け輸出の増加が補う、いわゆるデカップリングが健在であることが確認された。14日発表さの2007年10─12月期実質国内総生産(GDP)の流れを引き継いだ格好だ。
しかし、今後について民間エコノミストの間では、デカップリングは徐々に崩れ、輸出減が本格化して国内景気の下押し要因になるとの懸念が広がりつつある。
<米国向け輸出大幅減だが、輸出全体は堅調維持>
1月貿易収支は事前予想の小幅黒字から、赤字に転じたが「このこと自体を悲観する必要はない」(ニッセイ基礎研究所・シニアエコノミスト、斎藤太郎氏)など、サプライズはない。正月休みを含む1月は輸出活動が低調になることはよく知られており、輸入原油価格の高騰が輸入を押し上げたことも想定の範囲内だ。
1月統計で注目されるのは、米国向け輸出数量が前年比マイナス17.4%と、2001年12月(マイナス22.9%)以来の大幅低下となったにもかかわらず、輸出全体をみるとプラス10.3%と堅調な伸びとなったことだ。これはアジア向け、EU向けなどの輸出が堅調で、米国向け輸出の減少を補ったためだ。
エコノミストからは「(米景気減速の)影響は世界全体にまで波及している様子はうかがえず、輸出自体は依然底堅い」(農林中金総研究所・主任研究員、南武志氏)、「輸出動向からはデカップリングの様相を示している」(カリヨン証券・チーフエコノミスト、加藤進氏)などの声が多く聞かれた。 <対中輸出急減速など、新たな不安材料が表面化>
1月はひとまずデカップリングが維持されたものの、今後への不安材料も出てきている。1つはEU向け輸出だ。数量は前年比プラス23.1%と大幅に伸びを高め、米国向け輸出減少分を補ったが「船舶の前年比倍増といった特殊要因もある」(南氏)点は念頭に置く必要がありそうだ。船舶は高価で、かつ輸出頻度が不安定なため、これまでもしばしば貿易統計のかく乱要因になってきた。
中国向け輸出額がプラス4.6%と、05年6月(プラス2.2%)以来の低い伸びにとどまったことも要注意との声が広がっている。 続く...












